2006 Fiscal Year Annual Research Report
臨床効果を的確に予測する抗腫瘍性ヌクレオシドの薬剤感受性規定因子
Project/Area Number |
17590118
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
遠藤 良夫 金沢大学, がん研究所, 助教授 (30211783)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 琢磨 愛知学院大学, 薬学部, 教授 (90109976)
|
Keywords | 癌 / 核酸代謝酵素 / ヌクレオシド / 感受性規定因子 / デオキシシチジンキナーゼ / シチジンデアミナーゼ / リボヌクレオチドリダクター |
Research Abstract |
我々は、代謝拮抗抗癌剤の中でもヌクレオシド系核酸代謝拮抗剤のテーラーメード治療および抗腫瘍効果の増大や副作用の軽減を目指した新たな治療法の開発に資することを目的に、我々が開発中の抗腫瘍性ヌクレオシド、CNDACおよび肺癌・膵癌の治療薬であるゲムシタビン(dFdC)の臨床効果を的確に予測できる感受性規定因子の解明研究を企画した。平成17年度の研究ではデオキシシチジンキナーゼ(dCK)、シチジンデアミナーゼ(CDA)およびリボヌクレオチドリダクターゼ(RRM1)に対する特異抗体を用いて、ヒト腫瘍培養細胞におけるタンパク発現量を解析し、CNDACおよびdFdCに対する感受性との関連性を検討し、CNDACやdFdCに対する感受性とdCKとRRの双方のタンパク発現量が強く相関することを明らかにした。本年度はヒト線維肉腫細胞を用いRRM1の過剰発現安定株を樹立し、CNDACならびにdFdCに対する感受性の変化を調べた結果、dFdCに対しては約5倍、CNDACに対しては約2倍抵抗性が増強することを確認した。さらに、肺癌、胃癌、大腸癌等、臨床組織148検体における核酸代謝酵素とヌクレオシドトランスポーター(ENT1)のタンパク発現を解析した結果、dCKとENT1タンパクはほぼ全ての検体で発現が認められ、RRM1の発現は約9割弱に認められた。一方、CDA発現は約3割に認められ、それらの中には明らかに強発現を示す検体があった。肺癌40症例についてコラーゲンゲルマトリクス法における薬剤感受性との関連性を統計学的に解析した結果、ENT1発現と感受性には関連性は見られなかったが、CDA発現はdFdC感受性と有意に相関すること、RI樹1発現量あるいはdCKに対するR剛1の発現量比(dCK/RRM1比)はCNDACおよびdFdC感受性と強く関連し、有用な感受性予測マーカーとなる可能性が示された。
|
Research Products
(1 results)