2006 Fiscal Year Annual Research Report
有機カチオントランスポータのプロモータ解析に基づく薬物腎排泄の評価・予測系構築
Project/Area Number |
17590119
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
奥田 真弘 三重大学, 医学部附属病院, 教授 (70252426)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水谷 秀樹 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (80397504)
|
Keywords | テストステロン / アンドロゲン受容体 / 有機カチオントランスポータ / プロモータ / LLC-PK1 / nilutamide / rOCT2 / androgen response elements |
Research Abstract |
有機カチオントランスポータOCT1-3(S1c22a1-3)は腎における有機カチオンの輸送を媒介している。ラット(r)OCT2の腎発現量はテストステロンによって調節されている。本研究ではテストステロン依存性のrOCT2の発現調節における転写機構の解明を図った。 rOCT1-3プロモータに相当する約3,000塩基対の領域を単離した。ブタ腎由来の培養上皮細胞LLC-PK1にラットアンドロゲン受容体とともに発現させ、プロモータ活性の評価を行った。 その結果、rOCT1-3のプロモータのうち、rOCT2のみがテストステロン処理によって発現が亢進した。この発現亢進は、抗アンドロゲン薬であるnilutamideを共存させることによって抑制された。プロモータ領域の部分切除により作成した構成物やrOCT2のプロモータ領域に存在するアンドロゲン応答配列(ARE)の塩基配列に変異を導入した構成物を用いた検討を行ったところ、-3,000位と-1,300位近辺に存在する2カ所のAREがテストステロンによる転写亢進に寄与していることが示唆された。 以上、テストステロンによるrOCT2の発現調節に関する検討を行ったところ、テストステロンはrOCT2の転写を亢進したがrOCT1とrOCT3の転写は亢進しなかった。テストステロンによるrOCT2の亢進は、アンドロゲン受容体を介在することが明らかになった。本研究成果は、S1c22ファミリー遺伝子のテストステロン依存性の転写調節メカニズムを初めて明らかにしたものと位置付けられる。
|