2005 Fiscal Year Annual Research Report
有機アニオントランスポータの細胞・臓器特異的選別輸送機構の解明
Project/Area Number |
17590120
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
桂 敏也 京都大学, 医学研究科, 助教授 (10283615)
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Keywords | 極性上皮細胞 / 有機アニオントランスポータ / 蛋白質間相互作用 / 細胞膜ターゲティング / 膜輸送 |
Research Abstract |
小腸や腎臓、肝臓などの上皮細胞では、血管側(側底膜)と管腔側(刷子縁膜)に機能特性の異なる有機イオントランスポータが局在し、薬物輸送の方向性(吸収・分泌)の決定に重要な役割を果たしている。しかし、これら有機イオントランスポータの細胞膜局在化機構については未だ不明な点が多い。これまでの知見より、oatpファミリーに属する有機アニオントランスポータ(OAT-K,oatp1)は、培養細胞または臓器特異的に異なる細胞膜へ選別輸送されることが示唆されていた。その機構について明らかにするため、本研究では、有機アニオントランスポータOAT-Kをモデル薬物トランスポータとして選択し、OAT-KのN末端側に蛍光蛋白質(EGFP)を融合させた発現ベクターを構築し、極性上皮細胞MDCKに安定発現させ、OAT-Kの細胞膜発現機構について詳細に検討を行った。その結果、OAT-K mRNA発現が確認されたEGFP-OAT-K発現細胞において、EGFPの蛍光は全く観察されなかったことから、OAT-Kはプロセシングを受けそのN末端側が速やかに分解されることが示された。一方、OAT-KのC末端側を認識する抗体を用いたウエスタンブロット法、免役染色の結果、OAT-Kは約40kDの蛋白質として頂側膜に発現していることが確認された。さらにプロテアソーム阻害剤で細胞を処理したところ、EGFPの蛍光が小胞体に認められたことから、OAT-Kのプロセシングが小胞体において起こり、そのN末端側がプロテアソームによって速やかに分解されることが示唆された。OAT-KのC末端側3残基がPDZドメインを有する蛋白質によって認識されうる配列であることから、PDZドメインを有する蛋白質との相互作用によって膜局在が決定されるとの仮説のもと、現在検討を進めている。
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Research Products
(6 results)