2006 Fiscal Year Annual Research Report
薬物の経口吸収動態を制御する生理学的因子の解析とその吸収挙動予測への応用
Project/Area Number |
17590124
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
木村 聰城郎 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (10025710)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
檜垣 和孝 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (60284080)
大河原 賢一 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (30291470)
川井 恵一 金沢大学, 医学部, 教授 (30204663)
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Keywords | 経口吸収 / 難水溶性薬物 / in vitro溶出試験 / GITA model / 吸収動態予測 / griseofulvin / BCS class II |
Research Abstract |
P-glycoprotein(P・gp)とCYP3Aは、薬物の経口吸収挙動、特に初回通過効果に対して大きな影響を及ぼすと考えられているが、これらのタンパク質の基質となる薬物には、脂溶性が高く、難水溶性を示すものが多い。そこで、本年度は、難水溶性の粉末製剤について、我々の構築したGI・Transit・Absorption(GITA)modelに基づき、 in vitro溶出試験の結果を利用することにより、in vivo吸収動態の予測を目指した。モデル薬物として、米国FDAが提唱しているBiophnarmaceutics Classification System(BCS)においてclass IIに分類されているgriseofulvinを用いた。経口投与後の粉末としての消化管内移行性は、glass beadsにより求めた消化管各部位における移行速度定数を用い、溶解後の溶液状態としての移行性は、phenol red水溶液により求めた移行速度定数を用いて描写することとした。溶解は一次速度式に従うものと仮定しGITA modelに組み込み、溶解速度定数をin vitro溶出試験により求めた。溶媒として、日本薬局方の第1液、第2液、消化管管腔内液を模したFaSSIF、 FeSSIF、 modified SIBLMを用いた。重み関数として、静脈内投与後の体内動態を描写する動態パラメータを用いて、GITA nmodeにより経口投与後のgriseofulvinの血漿中濃度推移を予測したところ、modified SIBLMで求めた溶解速度走数を用いた場合は過大評価を、その他の溶媒での結果を用いた場合は過小評価する結果となり、良好な予測ができなかった。そこで、我々は、in vitro溶出試験に用いる新たな溶媒(lnedium reflecting in-vivo dissolution, MREVID)を考案し、求めた溶解速度定数を利用して血漿中濃度推移を予測した。その結果、最高血漿中濃度到達時間の予測に多少のずれがあるものの、最高血漿中濃度、AUCなどを良好に予測することに成功した。
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Research Products
(1 results)