2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17590127
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
荒木 博陽 愛媛大学, 医学部附属病院, 教授 (50294450)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末丸 克矢 愛媛大学, 医学部附属病院, 助教授 (50363239)
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Keywords | Hyperglycemia / Adrenocorticotropic hormone / Imipramine / Streptozotocin / c-Fos / Serotonin / Physical stress / Psychological stress |
Research Abstract |
本研究では、糖尿病とうつ病の関係をより明確にする目的で、ACTH連続投与ラットおよびストレプトゾトシン(STZ)投与により糖尿病モデルラットを作成して検討を行った。まず、ACTHモデルにおける治療抵抗性の脳関連部位を明らかにする目的で、神経細胞活性のマーカであるc-Fosを指標にした免疫組織学的実験を行なった。三環系抗うつ薬のimipramine投与の30min後に脳を灌流しc-Fos発現を調べた結果、salineを投与した対照群と比較して海馬、扁桃体および前頭前野において有意なc-Fos発現の増加がみられた。しかし、ACTH投与ラットでは内側前頭前野におけるc-Fos発現の増加が有意に減少した。従って、内側前頭前野がACTH反復投与ラットにおいてimipramineの作用消失に関与する脳部位であることが推察された。次に、身体的および精神的ストレス負荷を同時に与えられるcommunication boxを用いて、STZ誘発糖尿病ラットへのストレス負荷の影響を検討した。非糖尿病ラットへの5日間の身体的および精神的ストレス負荷は、DOI誘発wet-dog shake回数に影響しなかった。一方、STZ糖尿病ラットでは身体的ストレス負荷によりwet-dog shake回数が有意に増加し、5-HT2受容体機能が顕著に促進された。しかし、STZ糖尿病ラットへの精神的ストレス負荷ではwet-dog shake回数の変化はみられなかった。以上の結果より、糖尿病ラットでは、精神的ストレス負荷では変化がなかったものの、身体的ストレスでは5-HT2受容体の感受性が増大することが明らかとなった。長期間のストレス負荷は5-HT2受容体数を増加させることが報告されていることから、高血糖がストレス負荷による5-HT2受容体機能亢進に対して脆弱性を誘発している可能性が考えられた。
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