2005 Fiscal Year Annual Research Report
医薬品適正使用のための基盤:薬物代謝酵素のポストトランスレーショナルな活性制御
Project/Area Number |
17590128
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
石井 祐次 九州大学, 薬学研究院, 助教授 (90253468)
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Keywords | シトクロムP450 / UDP-グルクロン酸転移酵素 / タンパク質間相互作用 / 架橋 / 免疫沈降 |
Research Abstract |
ヒトの主要なシトクロムP450(CYP)であるCYP1A2、CYP2C9およびCYP3A4について、UDP-グルクロン酸転移酵素(UGT)2B7発現COS細胞ミクロゾームへの添加実験を行った。界面活性剤非添加の系で、CYP1A2およびCYP2Cは、UGT2B7によるモルヒネ-3-グルクロニド生成を、P450量依存的に阻害した。この性質は、CYP3A4とは異なり、CYP3A4の場合には、界面活性剤を添加した場合にのみ、阻害が観察された。このように、P450分子種によってUGT2B7との相互作用における親和性や機搆が異なっていることが示唆された。 ヒトのCYP3A4とUGT2B7の相互作用に関して、免疫沈降法による検討を継続して行った結果、CYP3A4を沈降させるが、UGT2B7を共沈降させないanti-CYP3A4抗体#1と、CYP3A4とUGT2B7を共免疫沈降させるanti-CYP3A4#2抗体を得た。また、N末端の膜結合領域を除いたCYP3A4とGSTとの融合タンパク質(Probe A)およびCYP3A4の内部疎水性領域とGSTとの融合タンパク質(Probe B)として大腸菌に発現させた。上記の二種の抗体のProbe AとProbe Bの認識性の違いから、anti-CYP3A4#2のエピトープがProbe B領域にあることが示唆された。Probe Aは、UGT2B7とEDCにより架橋を形成したが、Probe Bは架橋を形成出来なかった。Anti-CYP3A2#2がCYP3A4とUGT2B7を共免疫沈降できることから、Probe B領域は相互作用には関与しないと思われた。 ヒトUGTのバキュロウィルス発現系は現在検討中。正常ヒト肝のUGTとP450の発現レベル、活性および多型解析も現在検討中。
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