2006 Fiscal Year Annual Research Report
医薬品適正使用のための基盤:薬物代謝酵素のポストトランスレーショナルな活性制御
Project/Area Number |
17590128
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Research Institution | KYUSHU UNIVERCITY |
Principal Investigator |
石井 祐次 九州大学, 薬学研究院, 助教授 (90253468)
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Keywords | 薬物代謝 / UGT / P450 / アデニン / タンパク質問相互作用 / 内因性低分子化合物 / モルヒネ |
Research Abstract |
医薬品適正使用のための基盤となる薬物代謝酵素のポストトランスレーショナルな活性制御を明らかにする目的で、新たに低分子化合物によるポストトランスレーショナルな活性制御について検討した。まず、アシルCoAが、UDP-グルクロン酸転移酵素(UGT)の内因性活性化因子であることを明らかにした。これは、アシルCoAがUGT阻害因子であるとした定説を覆すことになった。また、シトクロムP450(P450,CYP)とUGTの相互作用に、NADPH生成系がどのような影響を示すか検討したとき、UGT活性への強い阻害効果が現れた。この阻害因子がNADP^+であることを見出し、さらに他のアデニン関連化合物もUGTの内因性抑制因子である可能性を見いだした。 P450とUGTの相互作用について免疫沈降法で検討を行った結果、P450とUGTの複合体にUGT活性が存在することを明らかにした。また、UGTとの相互作用の強さが、P450分子種間で異なっており、CYP2CはUGTと相互作用するものの、その作用は弱いことが示唆された。 ヒトのCYP3A4とUGT2B7の相互作用に関して、免疫沈降法による検討を継続して行った結果、CYP3A4を沈降させるが、UGT2B7を共沈降させないanti-CYP3A4抗体#1と、CYP3A4とUGT2B7を共免疫沈降させるanti-CYP3A4#2抗体を得た。N末端の膜結合領域を除いたCYP3A4とGSTとの融合タンパク質とUGT2B7は、EDCにより架橋したが、この架橋物をanti-CYP3A4抗体#1は認識しなかった。anti-CYP3A4抗体#1のエピトープが、相互作用領域に存在することが示唆されたため、エピトープの決定を試みた。精製CYP3A4をギ酸分解し、得られたフラグメントをanti-CYP3A4抗体#1でWestern blot解析してエピトープの存在位置を推定し、さらにペプチドライブラリーを受託合成して、同抗体でSPOTs assayを行い、CYP3A4上の相互作用に関与する領域を推定した。
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