2005 Fiscal Year Annual Research Report
抗癌薬血中濃度モニタリング及び薬物動態関連遺伝子情報に基づく個別投与設計法の確立
Project/Area Number |
17590131
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
松本 充博 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助教授 (70253755)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 秀之 熊本大学, 医学部付属病院, 教授 (40225727)
渡邊 博志 熊本大学, 医学部付属病院, 助手 (70398220)
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Keywords | 血中濃度モニタリング / アムルビシン / 個別化 / ファーマコキネティクス / ファーマコダイナミクス |
Research Abstract |
本年度は化学療法既治療肺癌症例におけるamrubicinの至適投与量の設定並びに体内動態特性の評価を目的として、臨床薬理試験および第I相試験を行った。以下に得られた知見を要約する。 1、Amrubicinの血中濃度は二相性に下降し、短い分布相と長い消失相(消失半減期:6.2±2.0h)を示した。また、Amrubicinolは投与直後に最高血中濃度に達し、その後持続的に血中に認められた(消失半減期:16.2±4.6h)。Amrubicinおよびamrubicinolの各血中濃度-時間曲線下面積(AUC)比から求めた変換率は15.1%であった。 2、Amrubicinのクリアランスにおいて大きな個体間変動が観察された(変動係数=49.8%)。一方、amrubicinのAUCとamrubicinolのAUCに強い相関関係が認められた(r=0.903)。 3、Amrubicinによる血液毒性とamrubicinおよびamrubicinolのAUCとの間に相関傾向が認められた。 4、化学療法既治療症例を対象とした第I相試験の結果に基づき、amrubicinの至適投与量は35mg/m^2と推定された。用量制限因子は血小板減少、不整脈および好中球減少であった。 5、Amrubicin投与3時間後のamrubicinおよびamrubicinolの血中濃度とAUCとの間に良好な相関が認められた(amrubicin, r=0.917;amrubicinol, r=0.979)。 以上、本年度は化学療法既治療肺癌症例におけるamrubicinの至適投与量並びに体内動態特性を明らかにした。
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