2005 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト薬物動態関連遺伝子多型の探索と酵素タンパク機能解析に関する研究
Project/Area Number |
17590133
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Research Institution | Tohoku Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
水柿 道直 東北薬科大学, 薬学部, 教授 (60004595)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平塚 真弘 東北薬科大学, 薬学部, 講師 (50282140)
金野 由美子 東北薬科大学, 薬学部, 助手 (90364413)
佐々木 崇光 東北薬科大学, 薬学部, 助手 (20382674)
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Keywords | CYP2D6 / 遺伝子多型 / SNP / Denaturing HPLC / ファルマコジェネティクス |
Research Abstract |
平成17年度は、Denaturing HPLCを用いてCYP2D6のエキソンSNPスクリーニングを行った。すでに採取してある200人分の日本人DNAサンプル(倫理委員会の承認とサンプル提供者のインフォームドコンセント取得済み)を鋳型として、各サンプルについてlong PCR法を用いた遺伝子完全欠損型変異アレルの確認を行った。次に、CYP2D6は塩基配列のホモロジーが高い偽遺伝子を有しているため、CYP2D6遺伝子を特異的に増幅する1次PCRを行った。ここで得られた増幅産物を鋳型とし、CYP2D6の9つのエキソン領域を特異的に増幅するプライマーを設計し、2次PCR増幅した。次にDenaturing HPLC WAVE3500付属の解析ソフトWAVE MAKERを用いて解析に最適な部分変性温度を決定し、ハイスループットSNP検出を行った。また、SNPの存在が疑われたサンプルについて、DNAシークエンサーCEQ8000を用いて、その詳細な塩基配列を決定した。その結果、日本人集団におけるCYP2D6のアミノ酸変異を伴う新規SNPとして、2556C>T(Thr261Ile)及び3835A>C(Lys404Gln)が検出された。またサイレントの新規SNPとして、1875G>A(Leu178Leu)、1998T>C(Pro219Pro)及び2945G>A(Val327Val)が検出された。既知のアミノ酸変異を伴うSNPまたは酵素活性に影響を与えるSNPとしては、100C>T(Pro34Ser)、1611T>A(Phe120Ile)、1617G>T(Ala122Ser)、1720A>C(Glu156Ala)、1846G>A(splicing defect)、2573insC、2850C>T(Asp296Cys)、3853G>A(Glu410Lys)、4180G>C(Ser486Thr)及びエキソン9におけるCYP2D6の配列のCYP2D7への置換が確認された。また、サイレントの既知のSNPでは、1039C>T(Phe112Phe)、1661G>C(Val136Val)、2470T>C(His232His)及び2575C>A(Pro267Pro)、イントロンSNPとしては、1598A>G、2424C>T、3356G>A及び3790C>Tが確認された。 平成18年度は、これらSNPによる酵素タンパクの機能変化について解析する予定である。
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