2005 Fiscal Year Annual Research Report
中枢神経系および沿軸中胚葉の形成におけるプロトカドヘリン10の機能
Project/Area Number |
17590147
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
村上 徹 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (10239494)
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Keywords | プロトカドヘリン / 沿軸中胚葉 / 向軸細胞 / 体節 / 中枢神経系 / レンズ / ゼブラフィッシュ / Morpholino |
Research Abstract |
申請者らは、ゼブラフィッシュ胚形成におけるプロトカドヘリン10(Pcdh10)の役割を調べた。ゼブラフィッシュにはPcdh10aと10bの2つのPcdh10がある。このうち、Pcdh10bは沿軸中胚葉と体節に発現し、体節の成熟とともに消失した。MorpholinoでPcdh10bをノックダウンするか、Pcdh10のドミナントネガティヴ体を胚に強制発現させると、沿軸領域や体節の形成が阻害された。Pcdh10bは沿軸中胚葉・体節の形態形成において重要な役割を果たしていると考えられた。Pcdh10bと同様に体節形成に役割を持つプロトカドヘリンにPcdh8があり、その上流遺伝子がspadetail(spt)であることが知られている。GFPで標識したsptのコンストラクトを胚に強制発現させると、Pcdh10bが異所性に発現した。Pcdh10はPcdh8より長時間にわたって沿軸中胚葉および体節内に発現が続いていた。また、向軸細胞にはPcdh8だけが発現した。Pcdh10は松果体、中枢神経系、耳胞などにも発現した。Pcdh10aは10bと異なりレンズに強く発現していたことから、その役割も相違していると考えられた。Pcdh10bの中枢神経系での役割、Pcdh10aのレンズ形成における役割の詳細については、解析を残した。Pcdh10aおよびPcdh10bに対するポリクローナル抗体を作成した。これらの抗体は、次年度に予定している、Pcdh10aやPcdh10bに結合する因子の解析や、Pcdh10aやPcdh10bの発現の解析に利用する。
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