2006 Fiscal Year Annual Research Report
中枢神経系および沿軸中胚葉の形成におけるプロトカドヘリン10の機能
Project/Area Number |
17590147
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
村上 徹 群馬大学, 大学院医学系研究科, 講師 (10239494)
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Keywords | カドヘリン / プロトカドヘリン / 中枢神経系 / 体節 / 咽頭弓 / 前腎 / ゼブラフィッシュ / Morpholino |
Research Abstract |
申請者らは、ゼブラフィッシュ胚形成におけるプロとカドヘリン-10(Pcdh10)の役割を調べた。ゼブラフィッシュにはPcdh10と10bの2つのPcdh10がある。このうち、Pcdh10bは沿軸中胚葉と体節に発現し、体節の成熟とともに消失した。Pcdh10bに対するアンチセンスMorpholinoまたはPcdh10bの『ドミナントネガテガティブ体の使用により、沿軸領域や体節の形成が阻害された。Pcdh10bは沿軸中胚葉・体節の形態形成において重要な役割を果たしていると考えられた。Pcdh10bはPcdh8より長時間にわたって沿軸中胚葉および体節内に発現が続いていた。また、向軸細胞にはPcdh8だけが発現した。Pcdh10bは松果体、中枢神経系、耳胞などにも発現した。以上を原著論文として報告した。Pcdh10aは10bと異なりレンズに強く発現していたことから、その役割も相違していると考えられた。Pcdh10aおよびPcdh10bに対するポリクローナル抗体を作成した。ELISAでは十分な反応性が得られたものの、組織染色では有効な染色性が得られなかった。カドヘリンスーパーファミリーに検索範囲を広げ、カドヘリン-6(Cdh6)及びプロトカドヘリン-18(Pcdh18)についてクローニングと機能解析を行った。Cdh6は前腎の糸球体および前腎管に発現していた。Cdh6のノックダウンにより、糸球体と前腎管の発生に異常が現れ、後期胚では水腫が現れた。このことから、Cdh6が腎形成に重要な役割を果たしていると結論した。Cdh6についての結果も原著論文として発表した。Pcdh18は中枢神経系、咽頭弓、消化管原基などに発現していた。発現を詳細に検討し、その結果を学会で発表した。
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