2006 Fiscal Year Annual Research Report
脳生組織イメージング技術を応用した中枢神経系シナプス形成過程の形態学的解析
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17590152
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
井上 明宏 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教授 (80322080)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡部 繁男 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (60204012)
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Keywords | シナプス足場タンパク質 / ウィルスベクター / RNA干渉 / 緑色蛍光タンパク質 / シナプス後肥厚部 / アクチン / 海馬培養神経細胞 / FRAP |
Research Abstract |
脊椎動物中枢神経系のグルタミン酸作動性の興奮性シナプスの後部には樹状突起棘突起(dendritic spine)が見られ、その膜裏打ち部分の著しく分子が集積した構造はシナプス後肥厚部(PSD)と呼ばれる。PSD足場タンパク質(PSD Scaffolding Proteins)は、膜の受容体とシナプスのシグナル分子とを繋ぐ機能を持ち、かつそのPSDの含有量はダイナミックに変化して、シナプスの可塑的機能変化の基盤になっていると考えられている。これらのPSD足場タンパク質のダイナミクスの制御様式について検討した。 PSD足場タンパク質のPSD-95、GKAP、 Shank、 PSD-Zip45 (Homer)をそれぞれGFP関連蛍光タンパク質で調べた結果、PSD-95のみが特に安定であり、PSD-95および類似分子(MAGUKファミリー)のSAP97の量をRNA干渉法にて減少させても、直接の結合分子であるGKAPの挙動には影響しなかった。一方で、アクチン線維を薬理学的に破壊すると、PSD-95のシナプス局在様式に影響することなく、他の3種の足場タンパク質のダイナミックな挙動は抑制され、その程度は各分子の分子間相互作用を司る領域の変異体で強調された。さらに、GKAPのspine含量は神経刺激により増加したのに対して、ShankとPSD-Zip45は減少し、これらの挙動はアクチン依存的であることが示された。これらの結果を総合すると、アクチン線維骨格系が多くのPSDタンパク質のシナプス後部での局在様式、ダイナミクスに重要な働きをしていると結論された。
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Research Products
(3 results)