2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17590156
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
馬場 健 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助教授 (90208710)
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Keywords | 脂質ラフト / ライセニン / コレステロール / 凍結レプリカ / コレラトキシン / 電子顕微鏡 / 免疫細胞化学 |
Research Abstract |
最近の研究により、細胞を覆っている脂質膜は均質無構造ではなく、脂質ラフトに代表される多様な膜微小領域がモザイク状に混在していることが明らかになりつつある。脂質ラフトの細胞質面には種々のシグナル伝達分子が集積すると考えられているが、その実態は十分解明されていない。本研究の目的は、多様な脂質ラフトの分布を明らかにし、それらに対応する細胞質内構造を超微形態学的に同定することであり、平成17年度には以下の研究成果が得られた。 1.脂質ラフトの細胞表面での二次元分布の検討:Jurkat細胞を金標識ライセニンあるいは金標識コレラトキシンと混合し、インキュベートし、洗浄後、サイトスピンを用いて細胞をポリリジン処理膜張りグリッドに付着させ、細胞膜断片をグリッドに回収した。細胞膜断片を含むグリッドを可視化処理し透過型電子顕微鏡(日立H-7500)で観察・写真撮影を行い、Ripley's K-function法を用いて二次元分布の形態解析を行った。その結果、コレラトキシン、ライセニンともに径50nm前後のマイクロクラスターを形成していること、2つのマーカーの分布は相互に無関係であることが明らかになった。 2.脂質ラフトの細胞質面の同定の試み:未固定のJurkat細胞をペレットにし、2枚の薄い銅板の間に挟み、液体窒素冷却イソペンタン・プロパンで急速凍結した。銅板を剥がすことで凍結割断し、炭素-白金-炭素の蒸着により凍結レプリカを作成した。レプリカ・細胞複合体をSDS処理し、洗浄後ライセニンとコレラトキシンを用いて免疫染色を行った。その結果、コレラトキシン、ライセニンともに割断された細胞膜にランダムな染色像が認められた。今後、細胞質面のマーカーと二重染色を行い、脂質ラフトの裏側の構造を明らかにしていく予定である。
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