2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17590156
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Research Institution | Ibaraki Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
馬場 健 Ibaraki Prefectural University of Health Science, 保健医療学部, 教授 (90208710)
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Keywords | 脂質ラフト / コレラトキシン / ライセニン / 免疫学的シナプ / 超微形態学 / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
すべての細胞の表面は脂質を主な構成要素とする細胞膜で覆われており、細胞内外の境界を形成するばかりではなく、栄養分の取り込み、チャネルやリセプターの局在、さらにはシグナル伝達の場として細胞膜の重要性が明らかになっている。近年では脂質ラフトのような特異な組成を持った膜微小領域の検討が進められ、細胞膜表面の脂質の局在が細胞膜内面の分子の局在に影響を及ぼす可能性が示唆されている。 本研究では細胞表面の脂質ラフト関連分子を同定し、さらにそれに対応した細胞内分子の局在を超微形態学的に検討した。平成19年度には以下の研究成果が得られた。 急速凍結置換固定法を用いた脂質ラフトマーカーの局在の検討 Jurkat細胞の表面を4℃でビオチン標識コレラトキシンとHis Venusライセニンで標識後抗CD3抗体を塗布したカバースリップとインキュベートすることで接着面に免疫学的シナプスを形成させた。4℃および37℃加温後に急速凍結し、2%パラフォルムアルデヒドと0.015%グルタールアルデヒドを含むアセトンで-80℃,3日間凍結置換を行った。アセトンをエタノールに置換し、LRWhite樹脂に包埋し-20℃で紫外線重合した。超薄切試料を金標識二次抗体でラベルし、透過型電子顕微鏡で観察した。その結果、コレラトキシン、ライセニンともに免疫学的シナプスに局在することが明らかとなった。さらに37℃で加温したときには蛍光染色で見られたのと同様に、ライセニンは接着面とその周囲に、コレラトキシンは主としてシナプス周囲に局在していた。これらより脂質ラフトの構成脂質ごと異なる局在を示すことが明らかとなった。
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