2005 Fiscal Year Annual Research Report
生細胞におけるマンノース6リン酸受容体のポストゴルジ輸送動態
Project/Area Number |
17590163
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
和栗 聡 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (30244908)
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Keywords | マンノース6リン酸受容体 / クラスリンアダプター / AP1 / GGA / トランスゴルジネットワーク / リソソーム酵素 / ライブセルイメージング / フォトブリーチ |
Research Abstract |
リソソーム酵素の選別輸送を担うマンノース6リン酸受容体(M6PR)は、トランスゴルジネットワーク(TGN)、エンドソーム、細胞膜間を小胞輸送により移動しており、この輸送動態はクラスリンアダプタータンパク質のAP1やGGAs(GGA1,2,3;Golgi-localized, γ-ear-containing, ADP ribosylation factor-binding proteins)などにより制御されている M6PRの細胞質外ドメインに依存した輸送ステップの有無を探るために、GFP-M6PR、細胞質外ドメインを欠いたGFP-M6PR、リガンド(リソソーム酵素)に結合できないGFP-M6PRの3つのGFP融合タンパク質のcDNAを構築した。それぞれを含む発現ベクターをHeLa細胞に一過性に発現させ、共焦点レーザー顕微鏡を用いてライブセルイメージングを行った。フォトブリーチ後のタイムラプス観察、取り込ませたAlexa594-トランスフェリンとのマルチカラー観察、およびFRAP(fluorescence recovery after photobleaching)解析を行った結果、M6PRの細胞質外ドメインは、エンドソームにおける同受容体の停留、あるいはTGN由来の輸送キャリアーとエンドソームの融合を安定化させる機能をもつことが示唆された。 また、GGA1,GGA2,GGA3の個別の機能を探る目的で、それぞれのノックダウン細胞株を作製した。中でもGGA2ノックダウン細胞はGGA2の発現が約5%まで低下していた。同細胞ではM6PRの分布に大きな変化が見られないものの、リソソーム酵素のカテプシンDが細胞外へミスソートされており、リソソーム酵素輸送の重要な過程に異常を来していることが考えられる。その機構の解明に同細胞株が有用であると考えられる。
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