2006 Fiscal Year Annual Research Report
生細胞におけるマンノース6リン酸受容体のポストゴルジ輸送動態
Project/Area Number |
17590163
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
和栗 聡 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (30244908)
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Keywords | マンノース6リン酸受容体 / クラスリンアダプター / GGA / I-cell病 / トランスゴルジネットワーク / リソソーム酵素 |
Research Abstract |
1.リソソーム酵素の選別輸送を担うマンノース6リン酸受容体(M6PR)は、トランスゴルジネットワーク(TGN)、エンドソーム、細胞膜間を小胞輸送により移動している。前年度はライブセルイメージング解析により、M6PRの細胞内輸送には細胞質外ドメインの存在およびリソソーム酵素の結合に依存したステップが存在することを示唆した。本年度は同現象を支持する目的で薬理学的実験およびI-cell病線維芽細胞を用いた実験を行い、以下の成果を得た(論文として発表した)。 (1)エンドソームのpH上昇をきたすクロロキン投与により、細胞質外ドメインを有するGFP-CIMPRのみTGNからエンドソームへの局在変化を示した。細胞質外ドメインに依存する輸送過程の存在を支持すると共に、クロロキンにより同輸送過程を同定できることが分かった。 (2)リソソーム/後期エンドソームでのコレステロール蓄積を誘導するU18666Aを投与すると、リソソーム酵素との結合部位に変異のあるGFP-CIMPRはU18666A特異的な局在変化を起こさなかった。また、I-cell病ではM6Pの付加に関する酵素が欠損するが、この患者由来の線維芽細胞においてM6PRはU18666A投与に反応しなかった。これら結果は酵素結合に依存する輸送過程の存在を支持すると共に、U18666Aにより同輸送過程を同定できることを示す。 2.M6PRの輸送動態を制御するクラスリンアダプタータンパク質のGGAの機能を探った。RNAiによりGGA2の発現を特異的に低下させても、ドミナントネガティブ実験により機能を阻害してもM6PRの局在変化は見られなかった。しかしRNAiによる発現低下細胞では、リソソーム酵素のカテプシンDが細胞外へミスソートされていた。このことはリソソーム酵素輸送異常が必ずしもMPR局在変化に反映されるとは限らないことを示唆する。
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Research Products
(4 results)