2005 Fiscal Year Annual Research Report
下垂体ホルモン分泌調節における多ホルモン分泌細胞の動態
Project/Area Number |
17590175
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
宮東 昭彦 杏林大学, 医学部, 講師 (80255398)
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Keywords | 細胞・組織 / 下垂体 / ホルモン / 遺伝子発現調節 / 細胞分化 / 国際情報交換 / 米国 |
Research Abstract |
本研究の目的は、下垂体の多ホルモン分泌細胞プロファイルを得、その生理的意義について検討することである。本年度は、ラット下垂体の分離と短期培養、細胞の組織化学的染色による細胞の標識および細胞の解析法の確立を行った。特に、LH/GH分泌細胞(いわゆるソマトゴナドトロフ)の検出とその発現状況の検討に焦点を絞り、LHβ、GHのmRNAおよびホルモン蛋白を検出する実験系について検討した。その結果、HRPポリマー標識抗体とビオチン標識抗体・抗ビオチン抗体を用いたサンドイッチ法のそれぞれをmRNA、蛋白の検出に用いて酵素発色させる手法を用いることで、陽性細胞を高感度に検出可能であること、特異性に優れていることがわかった。また、2重標識細胞の標識強度の検出と定量的解析には、TSA増感法と蛍光標識法を組み合わせた2重標識法が利用可能であることがわかった。 卵巣除去ラットでのLH/GH細胞の出現を確認した。卵巣除去1週でのLH/GH細胞の割合は、正常性周期を示す雌ラットで最も多く見られる発情前期に対しても顕著な上昇が認められた。特に、全GH蛋白質陽性細胞に対するLHβmRNA陽性細胞の割合が有意に高かった。卵巣由来ステロイドホルモンがなく、視床下部GnRH放出が活性化されている卵巣除去ラットでLH/GH細胞が高頻度で見られたことは、GnRH分泌充進による刺激がLH/GH細胞の出現に一定の関与をしていることを示唆する。 この結果を踏まえ、次年度以降にレーザーマイクロダイセクション法およびセルソーターを用いた細胞の分離回収を試み、LH/GH細胞の遺伝子発現について検討する予定である。
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