2006 Fiscal Year Annual Research Report
胎生マウス初期後腎の尿管芽分岐に関わる因子の網羅的解析
Project/Area Number |
17590179
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
長谷川 義美 藤田保健衛生大学, 医学部, 助手 (40288494)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 隆士 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (20325161)
下村 敦司 藤田保健衛生大学, 医学部, 助手 (50340237)
向後 晶子 藤田保健衛生大学, 医学部, 助手 (20340242)
山田 晃司 藤田保健衛生大学, 衛生学部, 講師 (60278306)
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Keywords | ICAT / Wntシグナル伝達系 / 尿管芽分岐 / 後腎欠損 |
Research Abstract |
ICAT (Inhibitor of β-catenin and TCF)は、β-cateninと結合してWntシグナルのカノニカル経路を負に制御する。ICATノックアウトマウスを東京大学分子細胞生物学研究所の秋山教授より供与され胎生18.5日(E18.5)を解析したところ、ホモタイプの12.5%に腎臓欠損があった。腎臓欠損部位でも副腎や生殖腺の形態異常は認めなかったことや、ホモタイプ腎臓の大きさに他タイプとの差違は無かったことより、後腎形成初期に腎臓欠損の原因があると推察した。 ICATノックアウトマウスのE12.5ホモタイプ後腎では、有意に尿管芽分岐の減少があった。この原因を調べるために、ICATノックアウトマウスのE12.0後腎で、ワイルドタイプとホモタイプのDNAマイクロアレイ遺伝子解析をした。 その結果、ワイルドタイプに対してホモタイプで2倍以上減少したmRNAは71種類あり、2倍以上の増加を示したmRNAが10種類存在した。このうち、2-UpしたもののうちでC.elegansのホモログであるGamma-secretase subunit APH-1Aが後腎に関係していそうである。また、2-Upまではしていないが、Wnt2bの発現がホモタイプで強く出ていた。 また、2-DownしたmRNAではchordin・homeobox protein dlx-2・Collagen alpha1が顕著であり、このうちchordinは前脳形成や中枢神経系の発生に関わり、ICAT欠損による前脳形成不全にも影響している可能性がある。chordinはまた、中胚葉形成にも関わっているので後腎形成にも関与があるかもしれない。
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