2005 Fiscal Year Annual Research Report
ラット腹膜に分布する知覚神経終末の形態についての研究
Project/Area Number |
17590180
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
田中 宏一 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (20125941)
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Keywords | 腹膜 / 知覚神経 / 自律神経 / 神経終末 / ラット / 微細形態 |
Research Abstract |
腹膜は腹壁の内張をしている壁側腹膜と、内臓を包む臓側腹膜に分けられるが、本年度は壁側腹膜について検索した。 SDラットを灌流固定後、壁側腹膜をはがし、伸展標本とし、抗PGP9.5抗体で神経線維を染色した。腹膜直下を走る神経線維が観察された。電子顕微鏡による観察から、この線維は有髄線維と無髄線維が共通の神経鞘に包まれて走っていた。この線維から枝分かれした細かい終末線維網が表面に向かって伸びていた。1本の線維束から半径1ミリ程度に拡がる線維網が形成されていた。また、腹膜直下に抗PGP9.5抗体によって染色される細胞体が観察され、この細胞に腹膜下を走ってきた神経線維が接触する像が観察された。 前回の研究で、壁側腹膜に分布する神経は脊髄神経節に由来することがわかっている。この神経節から腹膜に伸びてきた知覚神経は腹膜表面に細かい終末による神経網を作って、腹膜において各種の刺激を受容していることが示唆された。また、腹膜直下にこれまで知られていなかった知覚感受細胞が存在するかもしれない。この細胞については引き続き研究を行っている。
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