2005 Fiscal Year Annual Research Report
心筋細胞におけるミトコンドリアと興奮-収縮連関の機能協関に関する研究
Project/Area Number |
17590186
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松岡 達 京都大学, 医学研究科, 助手 (00263096)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡 千晶 京都大学, 医学研究科, 産学官連携研究員 (60378669)
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Keywords | 心筋細胞 / ミトコンドリア / カルシウムイオン / Na / Ca交換 / カルシウムユニポータ |
Research Abstract |
心筋細胞ミトコンドリアにIndo-1AMを負荷し、Ratiometryから、ミトコンドリアCa^<2+>濃度の定量化を試みた。しかしながら、Indo-1AMが必ずしもミトコンドリアのみに限局しないこと、UV照射による細胞ダメージのため長時間の観察が困難であることが判明した。そこで、Rhod-2AMを用いたミトコンドリアCa測定を行った。Rhod-2AMをラット単離心室筋細胞に負荷し、共焦点顕微鏡を用いて蛍光像を観察すると、Rhod-2はミトコンドリアと細胞質の両方に存在した。サポニン(0.1mg/ml;50sec処理)により細胞膜をpermeabilizeし細胞質内のRhod-2を流出させると、ミトコンドリア配列に一致する蛍光パターンが得られ、ミトコンドリア内のCa^<2+>を選択的に計測することが可能となった。細胞膜permeabirization後、0Na^+,300n MCa^<2+>の液を還流するとRhod-2 signalは増加し定常状態に達した。このミトコンドリアCaの増加はミトコンドリアCa^<2+> uniporter阻害剤(ruthenium red)で阻害され、Ca^<2+> uniporterを介するCa^<2+>フラックス増加に起因すると考えられる。その後、外液を0Ca^<2+>,6mM Na^+に交換するとRhod-2 signalは減少した。細胞質Na^+非存在下には、Rhod-2蛍光はほぼ一定に保たれることから、ミトコンドリアCa^<2+>の排出の主たるメカニズムはNa^+/Ca^<2+>交換であることが明らかになった。細胞質Na^+濃度を変えて測定したところ、細胞質Na^+に対するNa^+/Ca^<2+>交換の半飽和濃度は1.3mMであった。上記実験データをもとに、ミトコンドリアNa^+-Ca^<2+>交換のコンピュータモデル化を開始した。
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