2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17590188
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
柳 圭子 (石原 圭子) 佐賀大学, 医学部, 助教授 (70265990)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 信太郎 佐賀大学, 医学部, 助手 (40336110)
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Keywords | イオンチャネル / カリウムイオンチャネル / 内向き整流カリウム電流 / ポリアミン / Kir2 |
Research Abstract |
古典的内向き整流性カリウムチャネルを流れる外向き電流は、種々の興奮性・非興奮性細胞において膜電位をマイナスの値に維持する重要な生理的役割を担うが、この外向き電流の大きさは細胞内のポリアミン等の陽イオンがチャネル孔を膜電位依存性に塞ぐ(ブロックする)ことによって制御されている。我々は古典的内向き整流性カリウムチャネルの構成サブユニットであるKir2.1を培養細胞に強発現させた実験系を用いて研究を行い、Kir2.1チャネルはポリアミンブロックに対する感受性が異なる2つの構造上の状態をとると考えられ、大部分の外向き電流は比較的少数のブロック低感受性チャネルを流れると考えられる事をすでに論文報告した。今年度はポリアミンブロックの分子メカニズムの詳細を探求する目的で、Kir2.1のチャネル孔内面に位置する陰性電荷を持ったアミノ酸残基の側鎖を中性化する変異体を用いて実験を行った。その結果膜領域のチャネル孔に位置するアミノ酸残基の変異では全てのチャネルがブロック低感受性となるが、細胞質領域のチャネル孔に位置するアミノ酸残萎の変異では2種類のチャネルの存在比率はほとんど変化せず、低感受性チャネルのブロック感受性が低くなる事を見出した。また、昨年度新たに見出したKir2.1チャネルの酸性pHによって誘発される非常に遅い時間依存性を示す開閉機構について、さらに遺伝子変異体を用いてチャネル構造との関係を明らかにした。 学会発表: Yan Ding-Hong、頴原嗣尚、石原圭子.Kir2.1(IRK1)チャネルの細胞内pH依存性開閉機構第57回西日本生理学会.平成17年10月28日.宮崎 石原圭子、頴原嗣尚、Yan Ding-Hong.Kir2.1チャネルの2モード・スペルミンブロックの構造基盤.第84回日本生理学会大会.平成18年3月22日.大阪
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