2007 Fiscal Year Annual Research Report
重力変化時の循環調節における内耳前庭系機械能の解明と応用
Project/Area Number |
17590200
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
田中 邦彦 Gifu University, 大学院・医学系研究科, 講師 (60313871)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 啓之 岐阜大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80145044)
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Keywords | 重力 / 内耳前庭器官 / 動脈血圧 / 前庭-動脈圧反射 |
Research Abstract |
動物実験 通常の1G環境下で生育したラットを自由落下による微小重力に暴露すると、動脈血圧は有意に上昇し、この上昇は内耳破壊で抑制される。一方、3G環境下で2週間飼育したラットではこの応答が抑制された。この抑制は暴露時に身体を安定させ、内耳以外への重力変化の影響を抑えたラットでも認められたことから3G長期暴露が内耳由来の動脈圧反射系に変化が生じ、応答が抑制されたものと考えられた。また、尾側-吻側、吻側-尾側、左-右、右-左方向への直線加速によっても動脈血圧が上昇した。この上昇は前庭を破壊したラットおよび2G環境下で生育したラットで抑制されることから、X-Y平面での直線加速においても前庭-動脈圧反射が存在すること、その応答は長期過重力暴露によって抑制されることがわかった。 ヒト実験 70-80歳台の高齢者を仰臥位から60℃に起立させると若年者と異なり動脈血圧が急速かつ有意に低下した。この低下は前庭への入力を撹乱させる前庭電気刺激によって変化しなかったことから高齢者では前庭-動脈圧反射の調節力が低下していると考えられた。
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