2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17590201
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
佐藤 純 Nagoya University, 環境医学研究所, 准教授 (00235350)
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Keywords | 慢性痛 / 気象 / 大気圧 / 除脳 / 前庭神経核 |
Research Abstract |
1)小型気圧調節装置を用いて緩徐な気圧低下環境に曝露し,気圧変動量・スピードを変化させながら坐骨神経絞扼(CCI)および脊髄神経結紮(SNL)モデルラットの疼痛行動増悪をおこす気圧変動閾値を調べた。4-86hPa/hで3-20hPa減圧し、3段階の強さの圧刺激毛を用いて、後肢足底を10回ずつ刺激し後肢を引っ込める回数を測定した。5-86hPa/hで5-20hPa減圧した場合、SNLラットで疼痛行動が増強した。しかし、4hPa/hで5-20hPa減圧したときには増強はみられなかった。CCIラットでは10hPa/h以上の速さで10hPa以上の減圧により疼痛増強がみられた。よってSNLラットの疼痛増強を引き起こす減圧速度は5hPa/h以上であり、CCIラットの1/2の速度であることがわかった。また、CCIラットでは8hPa以下、SNLラットでは3hPa以下の気圧低下では疼痛増強は引き起こされないことが明らかとなり、疼痛行動増強には閾値となる一定の気圧低下量・速度があることがわかった。 2)モルモットにおいても気圧低下による疼痛増強が見られるかを調べた。雄性モルモットに対しSNLを行い,痛みの強さの指標として3段階の強さの圧刺激毛を用いて、後肢足底皮膚を各々10回ずつ刺激したときに後肢を引っ込める回数を測定した。SNL手術により、逃避回数が有意に増加する現象が術後約3週間持続した。術後1週間経過した段階で、大気圧より8分間で10または27hPaの低気圧に曝露したところ、両条件で逃避回数が増加した。以上より、気圧低下で慢性痛が増強する現象はモルモットでも出現することが明らかとなった。 3)麻酔下のラットの前庭神経核にガラス電極を挿入し,気圧低下に反応性を示す神経核細胞を探索した.これまで記録した30ユニットのうち,7ユニットが27hPaの気圧低下に明らかな反応性を示した。
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