2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17590208
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
田中 冨久子 (貴邑 冨久子) 横浜市立大学, 医学研究科, 客員教授 (40046066)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舩橋 利也 横浜市立大学, 医学研究科, 準教授 (70229102)
美津島 大 横浜市立大学, 医学研究科, 準教授 (70264603)
高瀬 堅吉 横浜市立大学, 医学部, 助手 (80381474)
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Keywords | 性差 / CREB / ホルマリンテスト / 侵害刺激 / 脳の性分化 / 分界条床核 / DARPP32 / ラット |
Research Abstract |
前年度までに我々が明らかにした、ホルマリンテストにおける行動上の性差と分界条床核におけるpCREB発現の性差における性腺ステロイドホルモンの役割を、詳細に検討した。 ホルマリンテストにおいて、卵巣摘除ラットは雄型の行動およびpCREB発現パターンを示し、エストロジェンおよびテストステロン補充により、もとの雌型となった。雄性ラットにおいて精巣摘除は、ホルマリンテストにおける行動およびpCREB発現パターンに影響を及ぼさず、また、テストステロンやエストロジェンを補充しても、もとの雄型であった。従って、ホルマリンテストにおける雌性ラットの痛覚過敏状態には、エストロジェンの存在が不可欠で、雌性特異的なエストロジェンに対する反応性は、脳の性分化の結果であると推察した。 そこで、行動上、十分に脳の性分化に影響を及ぼす量のテストステロンを脳の性分化の臨界時期に投与し、雌性ラットを雄型脳にして、性成熟の後、ホルマリンテストを行った。その結果、テストステロン投与により雄型の脳にした雌性ラットでも、卵巣摘除により雄型の、エストロジェン投与により雌型の、それぞれホルマリンテストに反応した。従って、雌型の、エストロジェン依存性のホルマリンテスト行動は、脳の性分化の影響を受けないことが示唆された。 さらに、ホルマリンテストにおいて、どのような分界条床核の細胞が雌型の発現パターンを示すのか、検討した。その結果、DARPP32免疫陽性細胞は、雌性特異的、かつ、ホルマリンテスト依存性にpCREBを発現することが明らかとなった。従って、我々がホルマリンテストにより明らかにした、雌性特異的、かつ、エストロジェン依存性の痛覚過敏状態(行動上および分界条床核のpCREB発現)に、ドーパミンニューロンが関与している可能性が示唆された。
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Research Products
(4 results)