2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17590210
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Research Institution | KINKI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
重吉 康史 近畿大学, 医学部, 教授 (20275192)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤岡 厚子 近畿大学, 医学部, 助教授 (30077664)
長野 護 近畿大学, 医学部, 講師 (80155960)
足立 明人 埼玉大学, 理工学研究科, 助教授 (20351588)
早坂 直人 近畿大学, 医学部, 講師 (80368290)
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Keywords | 視交叉上核 / 体内時計 / サーカディアンリズム / 概日リズム / Per2 / Prokineticin / PKR2 / Kallmann症候群 |
Research Abstract |
1.光照射後、時計遺伝子Per1/Per2視交叉上核における誘導によって、体内時計の変位を生じる。今回我々はPer2遺伝子誘導へいたる細胞内情報伝達経路を明らかにすることができた(Genes to Cells 2006)。Gqタンパク結合型受容体から、phospholipase C, IP3, IP3受容体、ERからの細胞内Ca2+放出、細胞外からの流入という一連の経路によって、Per2の誘導が引き起こされることが明らかになった。 2.グリオーマ細胞C6における概日リズムの発見。グリオーマ細胞であるC6にPer2::lucifereaseリポーター遺伝子を導入し、Dexamethasoneで刺激を行ったところ、顕著なサーカディアンリズムを認めた。(BBRC 2006)。周期、位相に対する薬剤の影響を検定するのに理想的なMaterialである。 3.視交叉上核において振動する遺伝子として採取されたProkineticinとの中枢性の受容体であるProkineticin receptor 2 (PKR2)の詳細な局在の検討。Prokineticin2は体内時計の中枢である視交叉上核において、豊富に存在し、その遺伝子は明瞭な概日振動を示す。その受容体であるPKR2は視交叉上核の特異的な領域、背外側部にクラスターを作り、その領域で時計遺伝子の発現の遅れがあることを明らかにした。(European J.Neurosci.;2006) 4.PKR2ノックアウトマウスを用いた、PK2, PKR2システムの機能解析。PKR2ノックアウトマウスにおいては、嗅球の形成不全、性腺機能不全が生じた。Kallmann症候群の主要二症候を合併する初めてのマウスであった。今後、Kallmann症候群の病態の解明に貢献すると思われる。(PNAS 2006)。
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