2005 Fiscal Year Annual Research Report
心筋梗塞におけるプロスタノイドの役割解明とその治療への応用
Project/Area Number |
17590211
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
結城 幸一 旭川医科大学, 医学部, 助手 (80302420)
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Keywords | プロスタノイド / プロスタグランジン / トロンボキサン / 心筋梗塞 / 受容体欠損マウス |
Research Abstract |
本研究の目的は、心筋梗塞におけるプロスタノイドの役割を解明し、その受容体作用薬の薬物治療への可能性を明らかにすることである。これまでに、4種類存在するPGE_2受容体の一つであるEP_4が、虚血心臓に対し保護作用を持つことを明らかにしてきた。今回、それ以外の3種類のEP受容体(EP_1,EP_2,EP_3)の役割について解析を行った。受容体欠損マウスを用い、急性心筋梗塞の動物モデルで解析を行ったところ、EP_3欠損マウスにおいて心臓の梗塞サイズが有意に増大していることが明らかになった。EP_1,EP_2の欠損マウスについては、野生型マウスと心臓の梗塞サイズに違いは認められず、その関与は低いと考えられた。また、選択的EP_3アゴニストを用いて、その作用を解析したところ、心臓の梗塞サイズを低下させた。さらに、PGE_2が心筋細胞、非心筋細胞のいずれに作用してその作用を発揮するのか、培養細胞を用いた解析を行った。EP_3は、Gタンパク質の中で細胞内cAMP量を抑制するG_iに共役している。よって、イソプロテレノールにより細胞内cAMP量を上昇させ、これを選択的EP_3アゴニストが抑制するかを調べた。しかし、EP_3アゴニストによる細胞内cAMP量の抑制は認められなかった。現在、培養条件、刺激条件を変えた検討を行っている。さらに、心機能評価のためにランゲンドルフ式灌流心を用い、マウス左心室内へカテーテルを入れ、左心室内圧を測定する系の確立をおこなった。来年度はこの系を用いた解析も行っていく。
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Research Products
(3 results)