2005 Fiscal Year Annual Research Report
血管平滑筋の形質変換時における筋線維の動的変化に関与する因子の検索
Project/Area Number |
17590218
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
岡垣 壮 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (80185412)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大井 淳史 三重大学, 生物資源学部, 助手 (70203693)
中村 彰男 群馬大学, 大学院・医学研究科, 講師 (30282388)
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Keywords | 血管平滑筋 / 形質変換 / サブトラクション / 収縮型細胞 / 合成型細胞 / 動脈硬化症 |
Research Abstract |
平滑筋は状況に応じて分化の進んだ筋線維の発達した収縮型、および未分化で増殖をする合成型の2種類の細胞に形質変換する。この過程を明らかにするため培養血管平滑筋細胞をPDGF処理によって合成型様細胞、酪酸ナトリウム(Na-butyrate, NaB)処理によって収縮型様細胞を作製し、それらの細胞に特異的な遺伝子を検索することにした。それぞれの細胞からmRNAを単離しcDNAを合成し、サブトラクション法によりPDGF処理細胞特異的遺伝子とNaB特異的遺伝子をスクリーニングし、それぞれについてプラスミドライブラリーを構築した。プラスミドを大腸菌に形質転換し、PCRによって100bp以上のインサートをもつクローンを同定し、シークエンス、BLAST解析をおこなった。PDGF特異的ライブラリーからは2300クローンを単離し、そのうち740クローンについてシークエンスをおこない、230クローンの遺伝子が特定できた。これらの中には分泌系、転写因子等の核内タンパク質、リボソームに関連する遺伝子が多く含まれていた。またNaB特異的ライブラリーからは1200クローンを解析し、そのうち440クローンについてシークエンスを行い、160クローンについて遺伝子が特定できた。これらの中には細胞骨格系、プロテオソーム系の遺伝子が多く含まれていた。今後はこれらの単離したクローンのcDNAに対し、サブトラクションした2種類のcDNA、およびサブトラクション前の2種類のcDNAをハイブリダイズさせて特異性を確認し、さらに興味深い遺伝子について詳細な解析をおこないたい。
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