2006 Fiscal Year Annual Research Report
受容体活性化チャネルTRPC6のカルモジュリン依存性キナーゼIIによる制御機構
Project/Area Number |
17590221
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
井上 隆司 福岡大学, 医学部, 教授 (30232573)
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Keywords | 受容体活性化Ca^<2+>チャネル / 血管平滑筋 / Ca^<2+>動員機構 / TRP蛋白質 / カルモジュリン依存性キナーゼ / リン酸化 / 活性化機構 / アミノ酸変異体 |
Research Abstract |
血管平滑筋の受容体作動性Ca^<2+>チャネル候補分子TRPC6の活性化には、Ca^<2+>/カルモジュリンキナーゼII(CAMKII)を介したリン酸化が必須である。平成17年度は、CAMKIIリン酸化可能部位のアラニン置換体を用いた検討によって、T487が重要なリン酸化部位であることを見出した。これを受け平成18年度は以下の実験を行った。 1.T487がTRPC6の細胞内に存在することを確認するため、mycタグを付けたTRPC6を用い膜トポロジーの検討を行った。超音波破砕によって細胞質部分を吹き飛ばして細胞膜内面を露出させ免疫蛍光の局在を調べた。細胞内面にmyc抗体に反応する免疫蛍光が得られたが、これがTRPC6特異的であるかを確認中である。 2.胎児動脈平滑筋培養細胞A7r5を用いて、CaMKIIのリン酸化が必須であるか否かを検討した。受容体刺激(バゾプレッシン、アンギオテンシンII)やG蛋白質の直接刺激(GTPγSの細胞内灌流)によって活性化されるTRPC6様電流が、CaMKIIの阻害性ペプチドによって強く抑制されることから、nativeに近い系でも同様の機序が働いていることが明らかとなった。 3.CaMKIIによるリン酸化可能部位にはPKGによるそれと一致するものがある(T69)。そこで、PKGによるTRPC6チャネル活性制御の可能性を検討するため、血管の生理的PKG活性化因子NOとその下流のシグナル伝達系の関与を調べた。NO供与体やcGMPアナログは強制発現したTRPC6電流やA7r5における受容体作動性電流を著明に抑制した。またこの効果は、PKGの選択的抑制ペプチドDT-3や有機阻害薬KT5823はで拮抗され、T69のアラニン置換によって消失した。以上より、TRPC6チャネルの活性は、CaMKIIやPKGによって動的な制御を受けていることが明らかとなった。
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[Journal Article] Depletion of intracellular Ca^<2+> store itself may be a major factor in thapsigargin-induced ER stress and apoptosis in PC12 cells.2006
Author(s)
Yoshida, I., Monji, A., Tashiro, K., Nakamura, K., Inoue, R., Kanba, S
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Journal Title
Neurochemistry International 48
Pages: 696-702
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