2006 Fiscal Year Annual Research Report
新規α1Bアドレナリン受容体拮抗薬の神経変性抑制作用
Project/Area Number |
17590228
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
中木 敏夫 帝京大学, 医学部, 教授 (30164148)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 暢子 帝京大学, 医学部, 助手 (30317698)
内海 計 帝京大学, 医学部, 助手 (90271759)
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Keywords | パーキンソン病 / メタンフェタミン / α1B受容体 / プラゾシン / 線条体 / 黒質 / 神経変性 / 実験室温度調節 |
Research Abstract |
黒質線条体神経死のモデルとして、前年度に実験条件を確立したメタンフェタミンモデルを使用した。このモデルにおいて特異的α1B受容体拮抗薬が変性抑制作用を持つか否かを検討するため、まず陽性対照薬として非特異的α1受容体拮抗薬のプラゾシンの効果を形態学的方法および生化学的手法により検証した。プラゾシンはメタンフェタミンの各投与前30分に皮下投与(0.5mg/kg)した。プラゾシンの対象薬には生理食塩水を用いた。メタンフェタミン最終投与から5日後に軽度エーテル麻酔下にて、ラット脳を灌流後、脳を摘出して固定し、線条体切片(4μm)を作成し、免疫組織染色(検出抗原:チロシン水酸化酵素)を行った。切片の写真をデジタル画像として撮り、NIHイメージにより定量化した。1群4-5匹として、生理食塩水投与+生理食塩水投与、プラゾシン+生理食塩水、生理食塩水投与+メタンフェタミン、プラゾシン+メタンフェタミンの4群につき比較した。この実験を昨年度と合わせて4回行い、メタンフェタミンによる神経変性に対してプラゾシンが統計学的に有意な抑制作用を示した。さらに、別の固体を用いて上記と同様の処置を行い、ラットを断頭後、迅速に線条体を摘出してドパミン、DOPAC、HVAを高速液クロで分離後定量した。この方法でもプラゾシンの保護効果が確認された。つぎに、α1B受容体拮抗薬(3mg/kg)を上記と同様の方法にて処置し、免疫組織染色および生化学的手法にて評価した。α1B受容体拮抗薬は保護効果が見られなかった。したがって、プラゾシンによる保護効果はα1B受容体以外の作用であることが示唆された。
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