2007 Fiscal Year Annual Research Report
5-HT2A受容体遮断薬の分子薬理学的な構造活性相関の解析に関する研究
Project/Area Number |
17590231
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Research Institution | Nigata University of Phermacy and Applied Life Sciences |
Principal Investigator |
長友 孝文 Nigata University of Phermacy and Applied Life Sciences, 薬学部, 教授 (60121240)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大貫 敏男 新潟薬科大学, 薬学部, 助手 (60288230)
杉原 多公道 新潟薬科大学, 薬学部, 教授 (40222054)
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Keywords | 5-HT2遮断薬 / サルポグレラート / モデリング / 構造活性相関 / インバースアゴニスト / 構成的活性 |
Research Abstract |
本年度の研究内容は、セロトニン受容体(5-HT受容体)の機能解析に関する内容である。近年、薬物受容体の構造もTwo state theoryの理論的な考察から受容体構造も薬物の結合によっておこる反応系から活性型(active state)および不活性型(inactive state)となることが分子生物学的方法やコンピュータモデリングを使った研究から明らかとなってきた。そこで、5-HT_<2A>(Asp322)および5-HT_<2c>受容体(Asp3.22)をそれぞれAlanineに置換した変異体を作成することにより構成的活性(constitutively active)を持つ受容体を見出した。この構成的活性受容体はTwo state theoryの受容体の活性型を意味し、またアゴニストがなくても活性化される受容体であることを明らかにした。すなわち、IP産生能が5-HTが存在しなくとも上昇する変異体であることを明らかにした。そして、これらの構成的活性を有する受容体に対する遮断薬であるサルポグレラート(sarpogrelate)、ケタンセリンやシプロヘプタジン(5-HT_<2A>遮断薬)などが、逆活性薬インバースアゴニスト(inverse agonist)であることを明らかにした。これらの研究成果は、病態時における受容体の変異体が起こっている場合は、従来のニュートラルアンタゴニストでは薬理効果を持たず、インバースアゴニスト活性を持っている薬物でなければ薬理効果が期待できないことを意味していることになる。 なお、5-HT_<2B>受容体においてもこのサブタイプの第3ヘリックスのAsp135がサルポグレラートの重要な結合部位であることも証明した。
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Research Products
(2 results)