2007 Fiscal Year Annual Research Report
肺高血圧症の発症・進展機構におけるエンドセリン-1の役割と性差
Project/Area Number |
17590232
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Research Institution | Osaka University of Pharmaceutical Sciences |
Principal Investigator |
松村 靖夫 Osaka University of Pharmaceutical Sciences, 薬学部, 教授 (40140230)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高岡 昌徳 大阪薬科大学, 薬学部, 教授 (50140231)
浦田 秀仁 大阪薬科大学, 薬学部, 教授 (80211085)
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Keywords | エンドセリン / 肺性高血圧 / モノクロタリン / ラロシフェン |
Research Abstract |
本研究ではモノクロタリン(MCT)誘発性肺高血圧モデルを用いてラロキシフェンの慢性経口投与による病態改善効果について検討を行うとともに、本病態発症進展因子として知られているエンドセリン-1(ET-1)に対するラロキシフェンの影響についても検討した。 8週齢のSD系雄性ラットに対し、MCT60mg/kgを皮下投与し4週間飼育することで肺性高血圧症を誘発させた。なお、正常コントロール動物として生理食塩水を皮下投与し、同様に飼育した。MCT処置と同時にラロキシフェン10mg/kg/dayまたはvehicleとして20%シクロデキストリンを4週間にわたって連日経口投与した。また、post処置群としてMCT投与後2〜5週間にかけてラロキシフェンまたはシクロデキストリンの経口投与を行った。飼育期間終了後に、麻酔下で右頸静脈より挿入したカテーテルを右室へ進め、右室収縮期圧(RVSP)を測定した。摘出した心臓からは右室(RV)および左室+中隔(LV+S)重量を測定し、右室肥大の指標としてRV/(LV+S)重量比の測定を行った。また、ラジオイムノアッセイ法により右室ET-1含量を測定した。 MCT投与4および5週間後において、コントロール群と比較して有意な右室収縮期圧の上昇、右室肥大、肺動脈中膜肥厚および右室ET-1含量の増加が認められた。MCTによるこれらの変化はラロキシフェンの0〜4週間および2〜5週間投与により有意に改善された。 以上、ラロキシフェンの慢性投与はMCT誘発性肺高血圧症に対して予防および改善効果を示した。このラロキシフェンによる病態改善効果の一部に右室ET-1産生抑制作用、NO産生充進に伴う肺血管弛緩作用が関与している可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)