2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17590240
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高崎 誠一 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (80112093)
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Keywords | 受精 / 精子 / 糖鎖認識分子 / 接着活性 |
Research Abstract |
受精の初期過程には、両配偶子間の特異的な相互作用が働いている。その解明には精子、卵側の対をなす相補的な分子の同定が必要であり、これまでに精子頭部には卵透明帯糖鎖を認識する複数の糖鎖認識分子が存在すること等を明らかにしてきた。そこで、これらの糖鎖認識分子の同定を目指して、下記の研究を進めた。先ず、ブタ精子の細胞膜をTritonで可溶化した遠心上清を得、これをデキストラン骨格の多価糖鎖プローブを固相化したELISAプレートに添加し、結合したタンパク質をプレート内でビオチン化後、電気泳動で解析した。その結果、N-アセチルラクトサミン構造を有するプローブを固相化したウェルに結合する70kDaと40kDaの二種のバンドを検出することができた。そこで、精子細胞膜画分を中性の界面活性剤で可溶化し、N-アセチルラクトサミン構造を有する糖タンパク質を結合させたビーズによる親和性カラムクロマトグラフィーを行ったところ、同様に70kDaと40kDaの2種のタンパク質が遅延溶出画分に回収された。これら二種のタンパク質をトリプシンでin-gel消化し、ペプチドのアミノ酸配列をMS/MS法で解析した。得られた配列をヒト、マウスの配列情報に対してホモロジー検索をした結果、二種のタンパク質がともにADAM(a disintegrin and metalloprotease)ファミリータンパク質群に属することが判明した。このうち、70kDaの分子については遺伝子のクローニングを行い、塩基配列を決定した。また、このタンパク質のdisintegrin, Cys-rich domainを酵母に発現させた組換体を精製してその接着活性を調べたところ、インテグリン(ラミニン受容体、フィブロネクチン受容体)に結合することが判明した。現在、40kDaの分子の発現、糖鎖結合活性の解析を進めている。
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