2005 Fiscal Year Annual Research Report
血管新生・糖尿病血管症罹患感受性を制御する選択的mRNAスプライシングの新機構
Project/Area Number |
17590241
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
米倉 秀人 金沢大学, 医学系研究科, 助教授 (80240373)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 琢夫 金沢大学, 医学系研究科, 助教授 (40303268)
山本 靖彦 金沢大学, 医学系研究科, 助手 (20313637)
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Keywords | 選択的mRNAスプライシング / 血管新生 / 糖尿病血管合併症 / RAGE / esRAGE / 血管新生制御遺伝子 / pICln / 可溶型VEGF受容体 |
Research Abstract |
本研究の目的は、我々が最近見出した、血管新生や糖尿病血管症罹患感受性を制御する選択的mRNAスプライシングの機構を解明するとともに、がん・糖尿病血管合併症などの成人病の発症・進展に密接に関わる血管異常のリスク予知・予防・治療法開発への新しい原理を明らかにすることである。具体的には、(i)糖尿病合併症において血管保護作用を持つ内在性可溶型糖化蛋白受容体(endogenous secretory RAGE, esRAGE)mRNAの産生と(ii)新しいタイプの血管新生制御遺伝子pIClnによる可溶型VEGF受容体mRNAの産生の分子機構を解明する。 平成17年度の研究で以下の成果を得た。 (1)esRAGE mRNA選択的スプライシング (i)esRAGE mRNA産生は、イントロン9内の別の5'スプライスサイトの選択による。そこで、RAGE遺伝子領域(第8イントロン〜11エクソンにわたる領域を発現ベクターに挿入し、選択的スプライシングを解析するRAGEミニ遺伝子を構築した。このミニ遺伝子は、RAGE配列が5'上流のGFP遺伝子とin frameで連結して発現されるように構築してあり、選択的スプライシングがmRNAレベルだけでなく、蛋白質レベルでも検出できるように工夫した。 (ii)上記RAGEミニ遺伝子の各種欠失変異体、点突然変異体を作製してヒト由来HEK293T細胞に導入し、スプライシングを解析した結果、esRAGE mRNA産生に関わるエレメントはイントロン9配列中に存在することが示唆された。 (iii)esRAGE mRNA選択的スプライシングに影響を与える因子・条件を検索した。 (2)pIClnによるVEGF受容体mRNAの選択的スプライシング (i)pIClnによるmRNA選択的スプライシング解析のため、pIClnに対するRNAiシステムを確立した。 (ii)pIClnによるmRNA選択的スプライシング解析のため、pICln過剰発現細胞を作製した。 (iii)可溶性VEGF受容体mRNA産生は膜結合型VEGF受容体遺伝子のイントロンに存在する別のポリAシグナルの選択的使用による。そこで、ポリAシグナルの選択的使用に関わると考えられるVEGF受容体(Flt-1)遺伝子領域を発現ベクターに挿入し、Flt-1ミニ遺伝子の構築を行った。
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Research Products
(16 results)