2006 Fiscal Year Annual Research Report
血管新生・糖尿病血管症罹患感受性を制御する選択的mRNAスプライシングの新機構
Project/Area Number |
17590241
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
米倉 秀人 金沢医科大学, 医学部, 教授 (80240373)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉竹 佳の 金沢医科大学, 医学部, 助教授 (00150764)
鶴岡 直樹 金沢医科大学, 医学部, 助手 (20367460)
渡辺 琢夫 金沢大学, 医学系研究科, 助教授 (40303268)
山本 靖彦 金沢大学, 医学系研究科, 講師 (20313637)
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Keywords | 選択的mRNAスプライシング / mRNA選択的3'端プロセシング / 糖尿病血管合併症 / RAGE / 血管新生 / 血管内皮細胞 / 可溶型VEGF受容体 / Flt-1 |
Research Abstract |
本研究の目的は、血管新生や糖尿病血管症罹患感受性を制御する選択的mRNAスプライシング/プロセシングの機構を解明するとともに、血管新生や血管障害が関与する疾患のリスク予知・予防・治療法開発への新しい原理を明らかにすることである。具体的には、(i)可溶型VEGF受容体mRNAの産生と(ii)糖尿病合併症において血管保護作用を持つ可溶型糖化蛋白受容体(可溶型RAGE) mRNAの産生の分子機構を解明する。平成18年度の研究で以下の成果を得た。 (i)VEGF受容体mRNAの選択的3'端プロセシング (1)ヒト血管内皮細胞で産生されるVEGF受容体(Flt-1)の3'端プロセシング/ポリA付加部位を3'-RACE法により決定した。 (2)ヒトVEGF受容体(Flt-1)の人工ミニ遺伝子とヒト初代培養血管内皮細胞を用いたFlt-1 mRNA選択的3'端プロセシング解析系を確立し、site-directed mutagenesisにより可溶型Flt-1 mRNAの産生に必須な配列を同定した。 (3)RNA結合蛋白質データベースと内皮細胞での発現解析から上記配列に結合すると考えられる蛋白因子を同定し、発現ベクターを用いた過剰発現の影響を解析したところ、可溶型Flt-1 mRNAの産生が抑制されることが確認された。 (ii)可溶型RAGE mRNA選択的スプライシング (1)RAGEミニ遺伝子の各種変異体を用いた17年度の解析から制御配列の存在が示唆されたイントロン9配列につきさらに詳細な検討を行ない、可溶型RAGE mRNA選択的スプライシングを制御する配列を同定した。 (2)RNA結合蛋白質データベースから制御配列に結合すると考えられる因子を同定し、過剰発現およびRNAiによる発現抑制の影響を解析したところ、hnRNP-Hが可溶型RAGE mRNA産生に促進的に働いていることが示された。
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Research Products
(12 results)