2006 Fiscal Year Annual Research Report
ミッドカインファミリー欠損マウスにおける雌性不妊の原因解析
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17590245
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
村松 壽子 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (50182134)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
門松 健治 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 教授 (80204519)
佐藤 正宏 鹿児島大学, フロンティアサイエンス研究推進センター, 教授 (30287099)
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Keywords | ミッドカイン / プレイオトロフィン / 遺伝子欠損マウス / 雌性不妊 |
Research Abstract |
前年度の研究の結果、ミッドカイン(MK)遺伝子とプレイオトロフィン遺伝子(PTN)の両方を欠損したダブルノックアウト(DKO)マウスの雌性不妊の原因として、1)DKOマウスの卵巣内の成熟卵胞の数と排卵される卵の数が有意に減少している。2)DKOマウスは発情期が短く、膣口に異常のあるものが多く、交尾をし難いことが判明した。本年度では、特に2)の原因解明について詳しく検討した。 子宮におけるMK,PTNの発現変化について定量的リアルタイムPCR法により調べた。MKもPTNも新生児で強く発現し、1週令では減少するが、8週令でも発現は持続した。そこで、MK,PTNの発現と性周期やホルモン投与の関係について検討した。8週令の野生型(WT)マウス雌に対して、毎朝スメアテストを行い、発情前期、発情期、発情後期、発情休止期のマウスより、子宮のRNAを調整して、MK,PTNの発現量を調べた。また、8週令のWTマウスに性腺刺激ホルモンを投与後、経時的に子宮のRNAを調整して発現量を調べた。その結果、MK,PTN共に発情前期より次第に発現が上昇し、発情期でピークに達し、その後急激に減少する。また、ホルモン投与後、次第に発現が上昇し、2-3日目にピークに達し、その後減少することが判明した。つまり、MK,PTNの発現量が性周期と連動しているため、DKOマウスの発情期が短いことが示唆された。 次に、DKOおよびWTマウスの膣を4%パラホルムアルデヒドで固定、パラフィン包埋後、HE染色して膣口の形態と膣上皮細胞を調べた。DKOマウスの42%に膣の異常があり、これらのマウスはすべて不妊であった。また、DKOマウスの腺上皮細胞層は薄く(WTマウスに比べて50%以下)萎縮していた。これらは、DKOマウスでは卵胞の成熟が抑制され、エストロジェンの分泌が減少した結果、引き起こされたと考えられる。
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Research Products
(6 results)