2006 Fiscal Year Annual Research Report
チェックポイントを制御するChk1キナーゼの個体レベルでの機能解明
Project/Area Number |
17590248
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
谷口 善仁 京都大学, 医学研究科, 助手 (00324616)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀井 保博 京都大学, 放射線生物研究センター, 助手 (70372563)
|
Keywords | 遺伝子 / 発生・分化 / メダカ / チェックポイント |
Research Abstract |
メダカのChk1遺伝子のエキソン3-6はキナーゼドメインをコードしており、849bpの領域に存在するため、単一のPCRで増幅、解析することが可能である。5'-TGGGTCTTTGAAATTGTCTGTTC-3'と5'-TGAGTCTTACTGAAAGGCATTGA-3'の二つのプライマーを用いてタッチダウンPCRを行った結果、特異的な増幅が得られることがわかった。これを後者のプライマーでダイレクトシークエンスすると、良好なシグナルが得られたので、この条件でChk1遺伝子座をスクリーニングした。 変異導入メダカ1920個体をPCR増幅、シークエンスした後、phredPhrapでベースコールとアセンブリを行い、polyphredでヘテロ変異の検出を行った。その結果、高頻度に見いだされる一塩基多型(SNP)と思われるヘテロシグナルは、解析した領域内に3カ所見られた。それ以外に1回しか見いだされない変異が9つあり、これらはエチルニトロソウレア(ENU)によって導入された変異であると推測された。 ENU変異の内訳は、イントロンの変異が6つ、アミノ酸置換を伴わないサイレントな変異が2つで、アミノ酸置換を伴う変異は64番目のヒスチジンがグルタミンに変わるもの唯一つしかなかった。また、ナンセンス変異、スプライス部位の変異、活性中心のアミノ酸置換といった、明らかにChk1キナーゼの活性を損なうような変異体は見つからなかった。 この領域の変異導入頻度は、180kbに一つと推定された。これは低い数字ではないが、今回スクリーニングした領域はエキソンが比較的まばらに存在する部位で、コーディング領域が433bpと全体の半分しかなく、これがイントロンの変異が多く見られた理由であると考えられる。この対策として、もっと高密度に変異を導入したメダカライプラリーを作製する必要があると考えられる。
|
-
[Journal Article] Generation of medaka gene knockout models by target-selected mutagenesis.2006
Author(s)
Taniguchi Y, Takeda S, Furutani-Seikl M, Kamel Y, Todo T, Sasado T, Deguchi T, Kondoh H, Mudde J, Yamazoe M, Hidaka M, Mitani H, Toyoda A, Sakaki Y, Plasterk RH, Cuppen E.
-
Journal Title
Genome Biol. 7
Pages: R116