2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17590249
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
朝日 通雄 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (10397614)
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Keywords | タンパク質 / 循環器・高血圧 / ストレス |
Research Abstract |
心筋の機能に重要な働きをしている筋小胞体カルシウムポンプ(SERCA)の制御因子を通して心不全の病態、さらに治療に結びつく研究を、ラットアダルト心筋細胞を単離してその機能変化を観察することにより行っている。その中で、喫煙や糖尿病で血中に増加するといわれるアルデヒドであるアクロレインが、心筋細胞機能を低下させ、細胞死を起こすことを見出した(未発表)。このアクロレインは、タンパク質のシステイン、リジン、ヒスチジン残基と結合しそのタンパク質の機能を変化させ、細胞機能に影響すると考えられている。また、血管内皮細胞を用いた実験で、その細胞死(アポトーシス)を起こし、動脈硬化との関連もあることが判明した。我々はまた、SERCAと同様に、カルシウムシグナルタンパク質であるリアノジンレセプターの制御因子として、プレセナリン2を見出し、カルシウム依存性にリアノジンレセプターと結合し、その機能をコントロールすることにより心機能に関与していることを証明した。重要なSERCAの制御因子であるサルコリピンに関しては、現在トロント大学との共同研究で、解析中である。FRET(蛍光エネルギー移動)によるSERCA/PLN, SERCA/SLNのダイナミクスの研究は、ラットアダルト心筋を用いるため、レンチウィルス発現系を用いる予定で、現在それに必要なコンストラクトを作成中である。 現在、SERCAのその他の制御因子として、熱ショックタンパク質であるHSP70などの制御機能を解析している一方、酸素ラジカルや窒素ラジカルのよるSERCA機能の低下およびそれらラジカルの消去系、特に抗酸化酵素による活性の保持のメカニズムを明らかにし、心不全の治療を、さまざまな分子から模索していく予定である。
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