2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17590249
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
朝日 通雄 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (10397614)
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Keywords | タンパク質 / 循環器・高血圧 / ストレス |
Research Abstract |
心筋の機能に重要な働きをしている筋小胞体カルシウムポンプ(SERCA)の制御因子を通して心不全の病態、さらに治療に結びつく研究を、ラットアダルト心筋細胞を単離してその機能変化を観察することにより行った。その中で、喫煙や糖尿病で血中に増加するといわれるアルデヒドであるアクロレインが、心筋細胞機能を低下させ、細胞死を起こすことを見出した。このアクロレインは、タンパク質のシステイン、リジン、ヒスチジン残基と結合しそのタンパク質の機能を変化させ、細胞機能に影響すると考えられている。また、血管内皮細胞を用いた実験で、その細胞死(アポトーシス)を起こし、動脈硬化との関連もあることが判明した。我々はまた、SERCAと同様に、カルシウムシグナルタンパク質であるリアノジンレセプターの制御因子として、プレセナリン2を見出し、カルシウム依存性にリアノジンレセプターと結合し、その機能をコントロールすることにより心機能に関与していることを証明した。またトロント大学との共同研究で、重要なSERCAの制御因子であるサルコリピンの解析を行い、FRET(蛍光エネルギー移動)によるSERCA/PLN, SERCA/SLNのダイナミクスの研究でラットアダルト心筋を用いるため、レンチウィルス発現系に必要なコンストラクトを作成し、その解析を行った。さらに、SERCAのその他の制御因子として、酸素ラジカルや窒素ラジカルのよるSERCA機能の低下およびそれらラジカルの消去系、特に抗酸化酵素による活性の保持のメカニズムを明らかにするともに、最近注目されている細胞内に存在する糖鎖であるO-GlcNAcによるSERCAの制御機構についても解析したが、これらの研究が心不全の治療の開発につながると考えている。
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Research Products
(3 results)