2006 Fiscal Year Annual Research Report
新規NF-κB制御因子IκB-ζの刺激特異的発現誘導機構とその生理学的意義の解明
Project/Area Number |
17590252
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Research Institution | KYUSHU UNIVERCITY |
Principal Investigator |
竹重 公一朗 九州大学, 医学研究院, 教授 (10037450)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 創 九州大学, 医学研究院, 講師 (70315084)
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Keywords | 自然免疫 / IκB-ζ / 転写制御 / mRNA安定化 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
IκB-ζは、転写を正と負の双方向に制御する二面性を持った転写制御因子である。IκB-ζの作用を決定する遺伝子上の構造について検討したところ、IκB-ζによって転写が亢進するヒトβ-ディフェンシン-2のプロモーターにおいて、IκB-ζの作用にはNF-κB結合配列が必要ではあるが、この配列のみによって構成されたプロモーターに対しては抑制的に働き、その下流のあるC/EBP結合配列がIκB-ζによる転写亢進に重要であることが明らかとなった。これらの配列とそこに結合する因子の有無が、IκB-ζによる転写制御の方向性を決定していると考えられる。 IκB-ζの刺激特異的誘導には、転写後修飾が関与しており、リポポリサッカリドやIL-1β刺激特異的にIκB-ζmRNAの分解速度が低下し、安定性が著しく上昇している。今回、この刺激特異的な安定化を決定するIκB-ζmRNA中のシスエレメントの同定を試みた。この実験のために、IκB-ζmRNAフラグメントの安定化に依存してルシフェラーゼ活性が出現するユニークなレポーターを用いた。全長IκB-ζmRNAを組み込んだレポーターでは,LPSやIL-1βで細胞を刺激した時、明らかなルシフェラーゼ活性の上昇がみられたが、TNF-α刺激によってはみられず、刺激特異性のあることがわかった。この刺激特異性は、ルシフェラーゼのmRNAとタンパク質を測定した時にもみられた。そして、IκB-ζmRNAを細かく断片化して検討した結果、3'-非翻訳領域のp165-bpフラグメントに刺激特異性を付与する活性があることが明らかとなった。
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