2005 Fiscal Year Annual Research Report
低分子量G蛋白質Rhoによる細胞骨格関連蛋白質セプチンの構造・機能制御の解析
Project/Area Number |
17590259
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Research Institution | Institute for Developmental Research, Aichi Human Service Center |
Principal Investigator |
永田 浩一 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 神経制御学部, 室長 (50252143)
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Keywords | Rho / セプチン / 細胞骨格 |
Research Abstract |
セプチンは植物を除く真核生物に広く存在する蛋白質で、構造上はがん遺伝子Rasに類似したG蛋白質である。下等生物を用いた広範な遺伝学的解析により、1)新規の細胞骨格系を形成する分子群であり、2)細胞周期の進行を制御するシグナル因子として機能すること、3)細胞極性の制御因子であることが示されている。一方、明らかな生理的重要性にもかかわらず、哺乳動物セプチンの解析は、これまで国内外で殆ど進められていなかった。最近、悪性腫瘍・神経変性疾患・知的障害などの種々の疾患でセプチンの機能異常が相次いで報告され、多くの関心が寄せられるようになった。そのような状況の下、我々は本研究費の援助のもとに、細胞骨格関連蛋白質セプチンが関与するシグナル経路の解析を、低分子量G蛋白質Rhoのシグナルとの関連に注目しながら行っている。低分子量G蛋白質Rhoは細胞の運動、極性、分裂、増殖などに必須の役割りを果たす蛋白質である。平成17年度は、Rhoシグナルがセプチンと相互連関することを明らかにした。具体的には、1)Rho活性化因子であるSA-RhoGEFがセプチン繊維と相互作用すること、2)セプチン繊維がSA-RhoGEFの活性を調節すること、3)Rhoの活性化がセプチン繊維の崩壊を引き起こすことを明らかにした。さらに引き続き、Rhoとセプチンの相互連関の分子メカニズムの解明を進めた.その結果、Rhoの標的蛋白質であるRhotekinがセプチンと相互作用しながら、その繊維構造を制御していることを明らかにした。Rhotekinの分子内の中央領域がセプチンの構造制御に必須であることを見出したが、Rhotekiniとセプチンの相互作用は間接的なものであると考えられた。
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