2005 Fiscal Year Annual Research Report
ヘム合成と分解の複合的調節機序と関連疾患群の病態の解明
Project/Area Number |
17590262
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
古山 和道 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (80280874)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴原 茂樹 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70206142)
張替 秀郎 東北大学, 病院・講師 (50302146)
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Keywords | ヘム / アミノレブリン酸合成酵素 / ヘムオキシゲナーゼ / RNA interference |
Research Abstract |
本研究においては、ヘムの生合成系と分解系における蛋白質-蛋白質結合による複合的な調節の仕組みを明らかにすることによりその異常が直接関わる疾患群の病態の詳細な理解と病因の解明に貢献する事を目的として、以下の検討を行なった。 1.ヘム合成系及び分解系の諸酵素と結合する新規の調節蛋白質の同定を目的として、赤芽球におけるヘム合成の律速酵素である赤血球型アミノレブリン酸合成酵素や、ヘム分解の律速酵素であるヘムオキシゲナーゼ1をbaitとしてYeast Two-hybrid法を用いてそれぞれの蛋白質に結合して調節する可能性のある蛋白質を検索中である。それぞれについて、いくつかの候補遺伝子を同定し、更に確認中である。 2.また、RNA interference(RNAi)を利用して鉄芽球性貧血の疾患モデル細胞を作成する事を目的とし、赤血球型アミノレブリン酸合成酵素の発現を抑制する効果的なshort-interfering RNA(siRNA)の配列を同定し、その効果を確認した。さらに赤芽球系細胞株において継続的に赤血球型アミノレブリン酸合成酵素の発現を抑制する事を目的に、siRNAで効果を確認した配列をshort-hairpin RNA(shRNA)として恒常的に細胞内で発現させるための発現ベクターを構築した。この発現ベクターを赤芽球系細胞株であるYN-1細胞に導入して安定形質発現体を得、その形質の変化につき検討中である。また、赤芽球系以外の細胞におけるヘム合成の律速酵素である非特異的アミノレブリン酸合成酵素や、ヘムオキシゲナーゼのそれぞれのアイソザイム(HO-1とHO-2)の発現を効率良く抑制するsiRNAの配列も同定し、これらの遺伝子の発現を恒常的に抑制するためのshRNA発現ベクターを構築中である。
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