2006 Fiscal Year Annual Research Report
ヘム合成と分解の複合的調節機序と関連疾患群の病態の解明
Project/Area Number |
17590262
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
古山 和道 東北大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (80280874)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴原 茂樹 東北大学, 大学院医学系研究科, 教授 (70206142)
張替 秀郎 東北大学, 病院・講師 (50302146)
|
Keywords | ヘム / アミルブリン酸合成酵素 / ヘムオキシゲナーゼ / RNA interference |
Research Abstract |
本研究においては、生体に必須の分子であるヘムの生合成と分解系における複合的な調節の仕組みを明らかにすることにより、その異常が直接関わる疾患群の病態の詳細を理解することを目的として、以下の研究を行った。 1.ヘム生合成系および分解系の諸酵素と結合してその機能を調節する新規の蛋白質の同定を目的としてYeast Two-hybrid法によりスクリーニングを行った。このうち、ヘム分解の律速酵素の一つであるヘムオキシゲナーゼ2(HO-2)と特異的に結合する蛋白質としてユビキチン特異的蛋白質分解系の一部を構成する蛋白質を同定し、その結果を現在投稿中である。また、ヘム分解系の律速酵素であるHO-2の発現を抑制するsiRNAを培養細胞に導入すると、もう一方のアイソザイムであるHO-1の発現が増強することを明らかにして報告した。 2.RNA interference(RNAi)を利用して鉄芽球性貧血の疾患モデル細胞を作成する事を目的とし、赤血球型アミノレブリン酸合成酵素の発現を効率よく抑制するshort-interfering RNA(siRNA)の配列を同定した。さらに赤芽球系細胞株において恒常的に赤血球型アミノレブリン酸合成酵素の発現を抑制する事を目的に、siRNAで効果を確認した配列をshort-hairpin RNA(shRNA)として細胞内で発現させるための発現ベクターを赤芽球系細胞株であるYN-1細胞に導入して安定形質発現体YN-1(ALAS2low)を得て、その形質の変化につき検討した。その結果、YN-1(ALAS2low)においてはALAS2遺伝子の発現低下により明らかにヘム合成量が減少し、ヘモグロビンの合成量も減少した。しかしながら当初予想していた様な、鉄芽球性貧血の特徴である環状鉄芽球様の細胞(ミトコンドリアへの過剰な鉄の沈着)は観察されなかった。
|
Research Products
(4 results)