2006 Fiscal Year Annual Research Report
白血病および様々な固形癌で過剰発現するウイルムス腫瘍遺伝子(WT1)の機能
Project/Area Number |
17590266
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
尾路 祐介 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (20294100)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡 芳弘 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (20273691)
|
Keywords | WT1 / 癌遺伝子 / 抗アポトーシス / 浸潤能 |
Research Abstract |
【概要1】WT1のisoform各々の機能 WT1タンパク複合体の機能を解析するにはまず、WT1の4種のisoform[17AA(+)KTS(+),17AA(+)KTS(-),17AA(-)KTS(+),17AA(-)KTS(-)]のそれぞれの機能を様々な細胞のcontextの中で明確にすることが必要になる。ひとつめのsplicing部位17AA領域を持つisoform[17AA(+)KTS(+),17AA(+)KTS(-)]についてはこれらのisoformが白血病細胞のみではなく様々な固形癌細胞においても抗アポトーシス作用を持つことを明らかにした。17AA領域を持たないisoform[17AA(-)KTS(+),17AA(-)KTS(-)]については種々の固形癌細胞において、白血病細胞におけるのとは異なり抗アポトーシスの機能を示すこと、さらにそれにはアポトーシスの制御に重要なBcl-2ファミリー分子の発現の調節を介している可能性を明らかにした。 【概要2】WT1の機能に関連する部位の同定 17AA(+)KTS(+)WT1 isoformの抗アポトーシス機能と17AA(-)KTS(-)WT1 isoformの細胞浸潤を増強する機能に着目し、これらのisoformの様々な部位を欠失させた欠失変異体を作成し、それぞれの変異体の機能を解析した。その結果、17AA(+)KTS(+)と17AA(-)KTS(-)isoformのそれぞれは、複数の機能関連部位を持つことが明らかになった。さらにこれらの部位のみを細胞に発現させるとそれぞれのWT1 isoformの機能を調節しうることが明らかになった。これらの結果はWT1 iosoformのそれぞれの機能が本研究で同定された部位を介する他の分子との相互作用に依存していることを示している。
|