2005 Fiscal Year Annual Research Report
BCCIPを介したファンコニ貧血経路と家族性乳ガン経路の分子相互作用
Project/Area Number |
17590280
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
石合 正道 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (90298844)
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Keywords | DNA修復 / ファンコニ貧血症 / 家族性乳ガン / 遺伝性疾患 / がん / 分子生物学 / 生化学 / 遺伝学 |
Research Abstract |
高発がん性遺伝性疾患として知られるファンコニ貧血症(FANC)、家族性乳ガン(BRCA)原因遺伝子産物はどちらも相同組換え(HR)と呼ばれるDNA修復機構に関与する。FANC経路とBRCA経路の機能的相関はこれまでにも多く指摘されFANCD2とBRCA2の相互作用の報告もあるが生体内での作用メカニズムは不明である。 研究代表者らはFANCD2の分子作用メカニズムを明らかにする目的で、ニワトリFANCD2のN末端をベイトとしたyeast two-hybrid(Y2H)法により、相互作用分子候補を約30個単離したが、その中の一つとしてBCCIPというBRCA2結合タンパク質のC末端領域を単離した。ニワトリBCCIPは全長をクローニングした。ニワトリFancD2は以前の研究で全長を既に得ている。 本年度はBCCIPとFANCD2の関係について解析を進めた。Y2H法によるBCCIPとFANCD2の相互作用を確認する目的で、全長のニワトリBCCIPとFANCD2をそれぞれHisタグ、TAPタグ付きタンパク質として発現するベクターにクローニングした。293T細胞で両者を共発現させ、NiビーズによるHis-BCCIPプルダウン、Western法によりBCCIPとFANCD2の結合を確認した。現在、結合領域を確定する目的で、BCCIPの欠失変異体、FANCD2の欠失変異体を作製している。また、この相互作用の一般性を確かめるため、ヒトBCCIP、FANCD2も同様にプラスミド構築を行っている。 DT40細胞を用いたBCCIPのコンディショナルターゲティングは第1アリルのターゲティングは順当であったが,第2アリルのターゲティングは困難であり、なかなか達成されずにいる。このため、ヒト細胞を用い、RNA干渉法(RNAi)によるBCCIPの発現抑制(ノックダウン)を検討している。GFP融合ヒトBCCIP(GFP-hBCCIP)の発現ベクターを構築し、293T細胞に導入すると、GFP-hBCCIPの局在は核にも観察された。BCCIP合成siRNAをGFP-hBCCIPの発現ベクターと共にHeLaや293T細胞に導入するとGFP-hBCCIPの発現が抑制されることを確認した。現在、BCCIP合成siRNAをヒト細胞に導入し、RT-PCR法で内在性のBCCIPの発現が減少するかを検討している。今後、siRNAを構成的に発現するベクターを作製、導入し、BCCIPの発現が抑制された細胞を確立する予定である。
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Research Products
(3 results)