2007 Fiscal Year Annual Research Report
MEN1遺伝子産物メニンを介する内分泌細胞の増殖調節機構の解明
Project/Area Number |
17590283
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Research Institution | National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East |
Principal Investigator |
塚田 俊彦 National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East, 腫瘍内泌プロジェクト, プロジェクトリーダー (10300948)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大倉 永也 国立がんセンター研究所, 腫瘍内泌プロジェクト, 主任研究官 (20300949)
矢口 浩子 国立がんセンター研究所, 腫瘍内泌プロジェクト, 研究員 (60373403)
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Keywords | MEN1 / メニン / 内分泌細胞 / 多内分泌腺腫瘍症1型 / 副甲状腺機能亢進症 / ミスセンス変異 / 遺伝子 / JunD |
Research Abstract |
メニンの機能解析を目的として、平成18年度までの研究で同定したメニン結合候補因子(RIKENcDNA登録タンパク)にFlagタグを付加し、Mycタグ付加メニンを用いて、in vitroで両者の結合を検討したが、結合が確認できなかった。また、Flagタグ付加メニンの欠失変異体を作成し、すでに報告のあるGTPase活性に必須な領域の決定を試みたが、欠失変異型メニンが非常に不安定なため成功しなかった。そこで、メニンの機能喪失型ミスセンス変異体の機能解析を試みた。多内分泌腺腫瘍症1型及びその軽症型である家族性副甲状腺機能亢進症の原因として報告されているgermlineのMEN1変異のうちミスセンス型変異を選び、培養細胞に強制発現させてその安定性を比較した。多内分泌腺腫瘍症1型を来す変異型メニンはすべて不安定で発現量が少なかったが、家族性副甲状腺機能亢進症を来す変異は、比較的安定なものが見られた。このような安定型ミスセンス変異を有するメニンについて、メニンの機能として従来知られているJunDを介する転写抑制作用を検討したところ、軽症型の原因となる安定型メニンはJunDによる転写を抑制したが、野生型よりも若干抑制が弱かった。また、典型的な多内分泌腺腫瘍症1型を来す不安定型ミスセンス変異は、JunDによる転写を全く抑制しなかった。以上の結果より、メニンの機能はタンパクの安定性と密接に関連していることが明らかになった。さらに、メニンの機能が低下するミスセンス変異であっても、必ずしも機能に直接関連したアミノ酸の変化ではなく、タンパクの安定性を損なう変化をもたらすものである可能性が示された。
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