2006 Fiscal Year Annual Research Report
耳垢型決定遺伝子の人類遺伝学的考察と乳ガンとの関連
Project/Area Number |
17590288
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
吉浦 孝一郎 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助教授 (00304931)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永安 武 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (80284686)
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Keywords | 耳垢型 / ABCC11 / ABCトランスポーター / 乳ガン |
Research Abstract |
耳垢型決定の遺伝子は、ABCトランスポーター・ファミリーのABCC11遺伝子であった。耳垢型の決定は、エクソン内の機能的なSNPで決定されていた。耳垢の湿型は、乳頭分泌物内の異型細胞が多いなど、乳ガンとの関連が示唆されていたので、耳垢型と乳ガンの発症に何らかの相関があるかどうかを検討した。長崎大学医学部・歯学部附属病院腫瘍外科の協力を得て、乳ガン患者91人のDNAを収集した。ABCC11遺伝子内のSNPのタイピングを行って以下のような、結論を得た。 遺伝子型 GG(Wet) GA(Wet) AA(Dry) 合計 患者 2 21 68 91 コントロール 4 36 87 127 遺伝子型による比較(2x3表)P-value=0.599 表現型による比較(2x2表)P-value=0.318 以上のように、乳ガン発症と耳垢型の間に何らの相関も認められなかった。 抗ABCC11ポリクローナル抗体を作製し、得られた血清をアフィニティーカラムによって精製し、免疫組織化学的に組織を染色できる抗体を得ることができた。抗体によって、湿型あるいは乾型耳垢腺の免疫染色を行った。ABCC11蛋白質は、どちらの型の耳垢腺においても腺の管空面に面した細胞膜(aPical side)に染まり、差があるようには思えなかった。また、細胞質内にもうすく点状に染まった。今後、この精製抗体を使用し、得られた乳ガン試料、肺ガン試料など、染色して、癌におけるABCC11の発現を検討していく。 ABCC11によって移送される基質の探索は、バキュロウィルスー膜ベジクルの調整が難航し、今後の課題として残った。
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Research Products
(2 results)