2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17590291
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
鬼島 宏 弘前大学, 医学部, 教授 (90204859)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楠美 智巳 弘前大学, 医学部, 講師 (90322932)
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Keywords | 癌 / 転移 / 膵臓 / 遺伝子制御 |
Research Abstract |
難治性癌の代表である膵癌(浸潤性膵管癌)の高悪性度について、個体レペルでのメカニズムは解明されていない。そこで本研究では、ヒト膵癌の培養細胞レベルでの解析に加え、マウス異種移植系を用いた個体レベルでのヒト膵癌モデルを作成して、増殖進展・転移に関するras遺伝子およびNF-κB(nuclear factor-kappaB)遺伝子の機能を明らかにする。 本年度の実績は、以下の通りである。 1)ヒト膵癌細胞へのK-ras癌遺伝子標的リボザイムの導入: ヒト膵癌細胞株に対し、アデノウイルスベクターに組込んだK-ras遺伝子標的リポザイムを感染導入し、培養細胞レベルおよびマウス個体レベルでの影響を検討した。この結果、ras遺伝子は膵癌細胞のアポトーシス抑制と血管新生促進を介して膵癌の増殖進展・転移に関与していることが示唆された。 2)ヒト膵癌細胞へのclaudin-1遺伝子標的siRNAの導入: ヒト膵癌細胞に対し、細胞間密着結合を構成する因子claudin-1の遺伝子を標的としたsiRNA導入し、機能レペルでのclaudin-1抑制とMMP2発現低下が確認された。また膵癌細胞にTNF-αを処理することで、濃度依存的および時間依存的に内在性claudin-1発現が亢進することから、TNF-αが誘導するアポトーシスへのclaudin-1関与が示唆された。 一方で、研究計画ではras癌遺伝子とともに、癌細胞のアポトーシス・細胞周期・接着や腫瘍血管新生に関与することが示唆された転写因子NF-κBを標的とした機能解明も目標としたが、こちらの解析は本研究期間内に十分な成果をあげられず、今後の研究継続で解析をすることとする。
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Research Products
(4 results)