2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17590305
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
古賀 孝臣 九州大学, 大学病院, 講師 (70380615)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
居石 克夫 九州大学, 大学院医学研究院, 教授 (70108710)
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Keywords | 肺腺癌 / AAH / BAC / PDGF-A / 血管新生スイッチ / リンパ管新生 / CHFR / AURORA |
Research Abstract |
細胞周期制御分子であり、癌細胞にて過剰発現が見られるAurora-A、Aurora-B遺伝子、あるいはAurora-Aの発現を抑制するCHFR遺伝子発現の、肺癌の発生あるいは進展への関与を検討した。 免疫組織化学的蛋白発現解析にて、Aurora-AおよびBの高発現は腫瘍経と血管浸潤に有意に相関し、またAurora-Aは臨床病期、リンパ節転移、Aurora-Bは予後とも相関し、両遺伝子の高発現は腫瘍の悪性度/進展と関係「することか示唆された。 Aurora-A、およびAurora-B遺伝子の免疫組織化学的発現態度は同一症例の腫瘍組織内で不均一であるのに対し、CHFRの発現態度は同一症例の腫瘍組織内できわめて均一に発現するか、あるいは発現がないかに二分された。このことは肺癌発生の早い段階にCHFRの発現の有無が決定されていることを示唆する。今回の検索にて、肺癌の中でも扁平上皮癌が他の組織形に比較して有意にCHFRの発現低下が見られ、また扁平上皮癌症例の中でも発現低下と喫煙が有意に関連することか明らかになった。然るに肺扁平上皮癌の発生母組織と考えられる気管支上皮の正常部分と扁平上皮化成部分のCHFRの発現を比較したところ、化成性扁平上皮では正常気管支上皮に比較して有意に発現低下が見られることかわかった。このことはCHFRの異常が発癌より前の過程にすでに発生していることを示す。喫煙との関連も示されたことで、今後気管支上皮における発現低下の原因がCHFRプロモーターのメチル化によるものか検索する必要があると考えられる。今回の検索にてAurora-A、Aurora-B両遺伝子は主に癌の進展に、CHFR遺伝子の異常は肺癌の発生過程に関係することを明らかになり、さらにCHFRは将来の肺癌治療の標的に成りうることも示唆した。
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Research Products
(2 results)