2005 Fiscal Year Annual Research Report
Lyve-1抗体によるリンパ管の同定と秘尿器癌におけるリンパ管侵襲の予後的意義
Project/Area Number |
17590319
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
石井 寿晴 東邦大学, 医学部, 教授 (30101893)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 由起雄 東邦大学, 医学部, 講師 (30276894)
伊藤 金次 東邦大学, 医学部, 助教授 (40057758)
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Keywords | LYVE-1 / 泌尿器 / 前立腺 / 腎臓 / リンパ管 / 腎疾患 |
Research Abstract |
本年度は、泌尿器の各組織中、正常な前立腺及び腎臓組織中におけるリンパ管の分布の特徴につき、LYVE-1抗体を用いて免疫染色を施し、一部は、画像解析的手法も加えて検索した。成果の一部については、米国専門雑誌に上梓した。 すなわち、正常前立腺のリンパ管分布については、第一に射精管周囲組織及び球状領域と辺縁層との間の線維筋組織に、有意に高い密度で認められた。又、後者の線維筋組織中では、間質外領域の前葉及び後葉にリンパ管の多くが認められた。これらの結果は、前立腺癌の転移経路の解明に有用と考えられる。 正常腎組織と、いくつかの慢性腎病変を有する腎組織についても、LYVE-1抗体を用いて検索した。リンパ管は、葉間及び丘状動静脈の間質中に豊富に認められたが、糸球体、皮質の尿細管領域には、散発的にその存在がみられるのみであった。髄質中には、リンパ管の分布は、殆ど認められなかった。腎臓癌においては、腫瘍中に毛細血管増生は明らかであったが、リンパ管の新生はみられなかった。しかしながら、腫瘍周囲の間質中においては、リンパ管新生がみられた。その他の慢性腎孟腎炎、梗塞などでも、リンパ管はみられたが、終末腎におけるリンパ管の密度は増加していた。 上記の17年度の結果は、泌尿器組織におけるLYVE-1抗体を用いたリンパ管の認識は、腎疾患の理解に重要な基礎的情報を得ることに、直結するものと結論出来る。
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Research Products
(3 results)