2005 Fiscal Year Annual Research Report
日本人乳癌におけるエストロゲン・レセプターβの臨床病理学的意義についての検討
Project/Area Number |
17590324
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
本間 尚子 (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団, 東京都老人総合研究所, 研究員 (70321875)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋山 太 (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団, 癌研究会癌研究所・乳腺病理部, 主任研究員 (50222550)
坂元 吾偉 (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団, 癌研究会癌研究所・乳腺病理部, 参事研究員 (80085620)
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Keywords | 乳癌 / エストロゲンレセプターβ / ホルモン療法 / 予後予測因子 |
Research Abstract |
1996年に従来のestrogen receptor(以下ER-α)に加え、第2のER(以下ER-β)が発見されて以来、世界中で乳癌におけるER-βの臨床病理学的意義が検討されてきた。しかし発現を調べる手法の多様性、抗体の多様性、isotypeの存在、人種間の違い等種々の理由により、未だ明確なコンセンサスは得られていない。本研究では日本人乳癌におけるER-βの臨床病理学的意義を明らかにすることを目的として、術後ホルモン療法施行後、13-24年経過し、予後の明らかとなった乳癌症例500例について免疫組織化学的検討を行っている。抗ER-β抗体3種、抗ER-α抗体、抗progesterone receptor(PR)抗体、抗androgen receptor(AR)抗体、抗HDAC6抗体、抗HER-2抗体、Ki-67等の抗体を用い、染色は終了、ER-αおよびPRについては評価も終了、他は現在評価中である。ER-βについては、腫瘍細胞質の染色が頻繁に認められるが、steroid hormone receptorは核に局在するという定説のため、従来、非特異的反応として無視されてきた。しかし近年ER-βのミトコンドリアへの局在等が報告され、非特異反応ではないことが示された。また、ER-βは間質細胞でも発現されている。これらの臨床病理学的意義が明らかでない以上、現段階で無視するのは適切でないため、ER-βの評価に際しては、従来の腫瘍細胞の核評価に加え、腫瘍細胞質および腫瘍周囲間質細胞についても評価を行っている。現在、約100例について評価が終了しているが、予後との関係、染色の安定性などが、抗体種および評価法によって異なることがわかってきた。今後評価を続けることにより、乳癌の予後を反映する抗ER-β抗体および評価法を明らかにできると期待している。
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Research Products
(2 results)